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コラム

投資一辺倒の中国経済は砂上の楼閣藤田正美の時事日想(1/3 ページ)

世界経済をリードしてきたBRICsの先行きが怪しい。特に中国の場合、GDPの半数以上を投資が占めており、限界に突き当たり始めている。中国経済が破たんしたとき、日本経済も無傷ではいられない。

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著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


 自公政権が安泰になって、安倍長期政権が見えてきた日本。第3の矢(成長戦略)がどうなるかに注目が集まっている。しかし、どうやら日本を取り巻く状況はむしろ厳しさを増しているようだ。

 一番の問題は世界経済をリードしてきたBRICsである。中国が成長率目標を達成できそうにないことが明らかになってきたが、その他のインドやロシア、ブラジルも軒並み成長率が落ちている。インドは成長率は5%程度だがインフレ率が高い。ロシアやブラジルは2.5%前後とピーク時の半分以下だ。

ニューヨークタイムズ
ニューヨークタイムズ誌より

 ノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のポール・クルーグマン教授は、「中国は間違いなく危機的状況にある」とニューヨークタイムズに書いた(参照リンク)。「中国モデルは万里の長城に衝突しようとしている。残された疑問はその衝突がどれくらい激しいか、だ」とも教授は言う。

 『BARRON’S』という米国の投資雑誌には、「中国の煙感知器が鳴っている」というコラムが掲載された。筆者は、中国へ資金を投入している投資家は、煙感知器がなっても大丈夫だと考える誤りを冒していないかと警鐘を鳴らしている。

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