デジタルマーケッターよ、自社がどうやって稼いでいるか知っているか?:ネット広告の先駆者に聞く(4/5 ページ)
マーケティングは長嶋監督の「カンピュータ」から野村監督の「ID野球」に変わるべきだ。日本のインターネット広告業界を常に一歩早く歩んできた横山隆治氏に、デジタルマーケッターのあるべき姿を聞いた。
デジタルマーケッターはデータサイエンティストとは違う?
岡田: ということは、デジタルマーケッターという仕事はさまざまな業務を知っていなければうまくいかないような気がします。これから若手ビジネスパーソンがデジタルマーケッターとなるには、何を学んでいくべきなのでしょうか。
横山: 今、ビッグデータと同じようにデータサイエンティストというワードもバズワードみたいになってしまっていますが、大学で統計学を学んだ若い人が育つことはとてもいいことだと思っています。でも、ビジネスロジックが分からないままでは、どんなに数字をいじっても求める結果はでません。マーケティングのみならず、営業や流通のあり方を知っていなければ、数字の切り取り方さえ分からないのです。
逆にいえば、今、営業とか広告とか販促とかの現場にいる若手社員が統計学をかじってみるべきなんです。統計学を本格的に勉強する必要はありませんが、とにかく手を動かしてみて何かを発見してほしい。若い人たちはまだ頭が柔らかいはずですから、できるはずですよ。そうすれば、その後、何をどうやって学んでいけばいいのか、おのずと分かってくると思います。
すると、先輩マーケッターが言っていたカンの部分がデータで可視化できます。結果が同じだったとしても、それはそれでいいんです。合ってたということが可視化されることが重要なんです。
岡田: 大切なのは、自分の会社が行っているビジネスとは何なのかを知ること、そしてとにかく手を動かしてみることの2つですね?
横山: そう、デジタルマーケッターは何が分かっていなければいけないかといえば、その会社のすべてのビジネスロジックです。詳細なところまで把握しろという意味ではありませんが、その会社は何をやってお金を稼いでいるのか、どこでどのように顧客と向き合っているのか、商品はどのように開発され、生産され、顧客に届くのか。
コンサルティングをやっていると、若手に限らず「えー、部門違いとはいえ、そんなにも自分の会社について知らないの?」という人がたくさんいます。若い人は組織の上に立っていないからという理由で会社のことが分からない状況かもしれません。でも、それってコミュニケーションで解消できるじゃないですか。社内で知っている人に聞けばいいだけなんです。その知識はその人の価値になるんですから、損なんてありませんよ。
ビジネスが分かっていて、どんなデータがあるのか分かっていて、今抱えているマーケティング課題が何なのかさえ分かっていれば、データを分析するデータサイエンティストは社外にいてもかまわないんです。
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