コラム
新型iPhoneはなぜ2モデルなのか、そしてドコモ参入の意味:神尾寿の時事日想(3/3 ページ)
9月10日、AppleはiPhone 5s/5cを発表、そしてNTTドコモがiPhoneを取り扱うことも正式に発表された。なぜ今回、iPhoneは2モデルになったのか。そしてAppleがドコモを「特別扱い」する理由とは?
iPhoneは「ひとり勝ち」できるか?
市場の変化に合わせたiPhoneのラインアップの拡大と、ドコモによるiPhoneの取り扱い開始。この2つの要素が加わったことで、先のコラムに書いた「日本におけるiPhone成功のためのすべての歯車が噛み合った」と言える。前回のコラムで断言しておいたとおり、これによってiPhone 5cとiPhone 5sは、日本での販売開始直後からかつてない規模と勢いで爆発的に売れるだろう(参照記事)。
では、このままiPhoneは"ひとり勝ち"できるのか?
もしそれに懸念点や課題があるとすれば、それは供給面の部分であると筆者は考えている。iPhoneは新モデルの販売開始直後に品薄・品不足になるのが通例だが、日本では他国にも増してiPhoneが売れる環境が整っているため、それが深刻化する懸念がある。
とりわけ今回は、発売直後に人気が出そうなiPhone 5sが発売日前の予約を受け付けておらず、供給量が少ないのではないかという懸念が生じている。年末商戦と春商戦という一大商戦期に品不足が長期化してしまうと、せっかく盛りあがった人気に水を差す結果にもなりかねない。市場の求めに応じて、人気のモデルやグレード、カラーバリエーションを的確に供給ができるか? Appleの手腕が問われることになりそうだ。
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