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日本人も要注意、集団レイプ判決から見るインドの闇:伊吹太歩の時事日想(3/4 ページ)
最近、インドで発生する集団暴行事件のニュースを日本メディアも取り上げるようになった。事件の背景を追ってみると、根強く残る女性差別が浮き彫りになる。
「示談」で被害者と加害者が結婚させられる
腐敗にまみれたインドの司法制度を考えればこうした現実も驚きではないが、さらにこんな事実もある。ニューヨークタイムズ紙によれば、デリーでは2012年に600件ほどのレイプ被害が届けられているが、犯人の男性が起訴されて有罪になったケースはたったの1件だった。
ちなみに2011年の調査で、インド人男性の4人に1人が性暴力を行ったことがあると答えていることからも、この600件という数字は実態からはかけ離れて少ないだろう。ただ統計が実態を反映しない理由は、示談でなんとか済ませようとするケースが多いからだという話もある。
日本人の感覚では考えられないが、警察や家族が「示談」として加害者と被害者を結婚させてしまうケースも少なくないという。もちろん金が絡むのだが、女性の意思は完全に無視される。
インドでは今もカースト制度の名残から、女性を差別する意識が根深く残っている。結婚の際には新婦が「ダウリー」と呼ばれる持参金をもって行く風習がある。この持参金をめぐり両者の家族を巻き込んだもめごとが絶えず、殺人事件も頻発している。2012年だけで8200人以上の女性がダウリーがらみで殺害された。ちなみに今日ではダウリーは違法なのだが、前出のインド主要紙の女性記者によれば「インド中のすべての階層で今も行われている」という。
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