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メジャーリーグでMVP級の大活躍――上原浩治はなぜ自らを「雑草」と呼ぶのか?:臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(5/5 ページ)
メジャー5年目となった上原は、レッドソックスのクローザーとして圧倒的な信頼を勝ち得ている。チームはア・リーグ東地区を6年ぶりに制した。だが、海を渡るまでの野球人生は決してバラ色とは言い難かった。
FA宣言後、とびっきりの笑顔を浮かべた
巨人のルーキーだった1999年10月のヤクルト戦ではロベルト・ペタジーニを敬遠。当時、チームの主砲・松井秀喜とペタジーニが本塁打王争いをしており、松井が敬遠された対抗策として巨人ベンチから敬遠が指示された。上原は渋々ペタジーニを歩かせた後、悔しさでマウンドの土を思いっきり蹴り上げると号泣。一歩間違えば首脳陣に対する采配批判だが、それを覚悟で感情を露にした。こんな一本気な性格を持つ投手は後にも先にも、上原以外にいない。
窮屈そうにガマンを重ねながらも結果だけは出し続け、2008年のオフに念願かなって巨人を“脱出”。FA宣言後にボルティモア・オリオールズと契約すると、今まで見せたことがなかったような飛びっきりの笑顔を浮かべた。
今季でメジャー5年目。巨人では煙たがられていた自己中心主義もメジャーでは逆にプラス要素となっている。選手は結果がすべてであり、そのためには練習や調整も自分のやるべきことをこなすというのがメジャーのスタンス。自分の結果を追い求めることで、チームの勝利につながればいいという考えだからだ。
長いガマンと努力を積み重ね、ようやく自分を生かせる環境に身を置いた上原は今、円熟期に達したと言っていいだろう。夢を諦めたくないビジネスパーソンにとっても「雑草魂」の生き方は、大いに参考になるはずだ。
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