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社長になるにはどうしたら? 必要な資金はスロットで――実業家・作野裕樹氏:働くこと、生きること(前編)(2/3 ページ)
六本木と熱海で会社を経営する作野裕樹氏は、小学校のころから「社長になるにはどうしたらいいのか」を考えていた。起業家育成にも力を入れているが、そのバックグランドにはさまざまな人生経験があった。
起業に必要な資金はスロットで稼いだ
かくして前に進むことを真剣に考え始めたが、そこで選んだ手段は一般的な価値観からすれば特異なものだった。
「すぐに稼ぐにはどうしたらいいか考えて、思い至ったのがスロットだったんです。友人が稼いでたし、『オレでもイケるんじゃないか?』って安易な考えで(笑)。最初はうまくいきませんでしたけど、懸命に研究したら出るようになりました。将来に生かそうという視点はなかったけれど、仕事感覚でやっていたんですよ。スロットで勝てた理由のひとつが、強い相手と戦わないということ。人気機種は避けて、敵の少ないところを選んでたんです。結果的にそれは、ビジネスに生きてますね」
だがスロットで生計を立てていこうというつもりはなく、大学卒業後はベンチャー企業へ。将来の起業の基盤をつくりたかったからだ。
「将来起業したいとは思っていましたが、手段が分からない。でも小さなベンチャー企業に入れば、大きな役割を任されて学べるかもしれないって思ったんです。ただ現実的には、会社勤めを続けても理想には近づけないとしか実感するだけだったし、結局その会社は5カ月で辞めて起業を目指すことにしました。でもビジネスをやるにもお金が必要ですから、もう1回スロットをやって資本金を貯めたんです。稼ぐことが目的だったので、夢に向かってるみたいで楽しかったですね」
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