インタビュー
ダヴとオレオはなぜ“ファンづくり”がうまいのか――2社に共通する巧妙な仕掛け:仕事をしたら“広告のツボ”が見えてきた(中編)(3/6 ページ)
キャンペーンなどをうまく活用して、ファンを増やしている企業がある。それはDoveを扱うユニリーバと、Oreoを扱うナビスコ。なぜこの2つの会社は、自社商品のファンを増やすことができたのか。元『広告批評』編集長の河尻亨一さんに解説してもらった。
ファンづくりがうまい、Oreoの試み
河尻:ファンづくりという面では、ナビスコのクッキー「Oreo(オレオ)」のキャンペーンを紹介しますね。Oreoは1912年に発売していて、昨年100周年を迎えました。そこで同社は、毎日Oreoを使ったネタをWeb上にアップしていきました。
例えば、エルヴィス・プレスリーの命日(8月16日死去)には、彼の横顔をシルエット風にしたクッキーをつくってみたり、火星探査機が着陸に成功したときにはクッキーの上に赤く着色したクリームをのせて、そこに探査機の車輪の跡を入れたり。このほかにも時事ネタに合わせて、どんどん写真をアップしていきました。100周年にからめて100日間も。
エルヴィス・プレスリーの命日には、彼の横顔をシルエット風にしたクッキーをつくって、Web上に写真をアップした(左)、火星探査機が着陸したときにはクッキーの上に赤く着色したクリームをのせて、そこに探査機の車輪の跡を入れた(右)
土肥:100日間も続けて、どんなことが起きたのでしょうか?
河尻:まず話題になりました。「Oreoが面白いことをしているぞ!」といった感じで。最後の100日目にはニューヨークでイベントを開催していました。
このOreoの試みは、いわゆる“やってみた”系。OreoはSNS対応のチームをつくって、コンテンツを提供していきました。彼らはいろんなネタを出し合って、タイムリーな状態でどんどんOreoの写真をアップ。その結果、ひとつのメディアになったんですよね。
土肥:タイムリーな状態でアップされた? 例えば、どんなモノがあったのでしょうか?
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