嫌煙家が主張する「タバコ1箱700円」を阻む“霞ヶ関の論理”とは:窪田順生の時事日想(1/4 ページ)
たばこが値上がりをする。えっ、また? と思う人も多いだろうが、消費増税に合わせて値上げをする予定だ。一方、嫌煙家や厚労省は「1箱700円」を訴えているが、これはかなりハードルが高い。なぜなら“霞ヶ関の論理”が関係しているからだ。
窪田順生氏のプロフィール:
1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
たばこが値上がりをする。
え? 3年前に上がったばかりじゃないの、なんて印象があるが、消費税が上がったら税率アップ分の3%が自販機などでは一律転嫁できない。というわけで、銘柄によって最大20円値上げしたり、据え置きしたりということで全体の売上高でみたら3%アップになるようにするんだとか。
まだ具体的にどの銘柄がどれくらい上がるなんて話は出てないが、例えば元マイセンこと「メビウス」が20円アップしたら430円。「セブンスター」が値上げした場合は460円になってしまう。食後の一服どころか、食後にもう1回、定食を買ったような出費である。
映画『風立ちぬ』の喫煙シーンにクレームを入れた禁煙学会などの嫌煙家のみなさんからは、「ぬるい! 1箱700円でいい」なんて声が聞こえてきそうだが、愛煙家からしたら、「なんでオレたちだけがこんなにいじめられるの」というのが本音だろう。
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