「一流」になるためには、3つの力が必要:勝者のための鉄則55(1/3 ページ)
毎年プロ野球には、セ・パ両リーグ12球団合わせて80人前後の新人選手がドラフト会議で指名され、入団してくる。全国から集まった野球の上手い選手同士で、一軍枠をめぐってさらに厳しい競争をくぐり抜けなければいけない。
集中連載「勝者のための鉄則55」について
本連載は張本勲著、書籍『プロフェッショナル 勝者のための鉄則55』(日之出出版)から一部抜粋、編集しています。
プロ野球の世界で「一流」と呼ばれるのは、「自分の本当の素質」を追究し、その素質に“正しい方法"で磨きをかけた選手たちを指します。「それは一般社会でも同じだ」と、著者は語ります。
ではどうしたら、「自分の素質」に気付き開花させることができるのか、真のプロフェッショナルとして認められるのか。
王貞治氏、長嶋茂雄氏の「ON」と肩を並べる球界の重鎮が、すべてのビジネスパーソンとプロ野球ファンへ向けて、「ハリモト流☆成功思考、行動、ハウツー」を、熱いメッセージとして贈る一冊です。
一軍と二軍を分けるポイントは、体力、技術、スピードだ
毎年プロ野球には、1球団6、7人、セ・パ両リーグ12球団合わせて80人前後の新人選手がドラフト会議で指名され、入団してくる。いずれも高校時代に甲子園で活躍した選手、大学、社会人で才能を伸ばした選手ばかりだ。彼ら新人と先輩たち、1球団合わせて70人ほどの支配下登録選手が一軍登録28人の枠を争うことになる。全国から集まった野球の上手い選手同士で、一軍枠をめぐってさらに厳しい競争をくぐり抜けなければいけないわけだ。
では一軍と二軍選手では、何が違うのだろうか。もちろん、実力が違う。じゃあ、どうやって実力を付けたらいいのか、ただやみくもにやっても意味がないというのが私の意見だ。一軍と二軍を分けるポイントは、次の3つだと思う。すなわち(1)体力、(2)技術、(3)スピードである。
まずは体力があるかないか。多くの新人選手はまだ体力がないから、二軍スタートが多くなる。次に技術。バッティング技術、ピッチング技術など、足りない部分があるから二軍で練習する。そしてスピード。単に足が速いか遅いかではなく、バッターで言えばスイングスピード、ピッチャーなら球の速さ。この3つを兼ね備えていれば、まず一軍に上がれる。逆に何かが足りないから二軍に落とされる。
一般の企業でも同じだと思う。「一流」の社員と「二流」を分けるポイントは必ずある。要はそのポイントを見つけ、効果的に努力することが大切なのだ。
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