過疎の町に、企業が次々に集結するワケ:自然豊かなエリアに(3/5 ページ)
高度経済成長期以降、地方から都市部への一極集中傾向が進んだ結果、現在地方では過疎化などの問題が顕在化している。この問題を解決するために、とある街では地域活性化の動きが加速。IT企業やクリエイティブ企業が次々に集結しているのだ。
「首都圏で勤務していたころは毎日往復3時間かけて通勤していて、趣味のサーフィンは週末に行くくらいでした。それも自宅から海までは片道2〜3時間かかるなど、生活の大半は移動時間と仕事と言っても過言ではありませんでした。」(住吉氏)
「しかし現在は近隣に数多くのサーフポイントがありますので、通勤にかけていた時間をそのままサーフィンに充てるなど、週に2〜3回は楽しむことができ、早朝にサーフィンしてから出社することもあります。また趣味が充実できることで、業務においても集中力が高まったり時間配分を意識したりするなど、相乗効果が出ていると思います。」(同)
また社員たちはオフィスの隣に併設された水田で稲作に励んだりするほか、地元の中学校でのIT授業や消防団活動、また地域のお祭りなど、地元の活動にも積極的に取り組むことで、次第に地元の人からも受け入れられるようになり、いろいろな誘いに声をかけられるようになった。
一方で地元に溶け込むと、次第に地元の人たちも腹を割って話すようになり、いろいろと地元の人が抱える課題や悩みを聞くことも多くなっていった。そんな声を聞くにつれて「何か自分たちが役に立てることはないだろうかと考えるようになった」と吉田氏は言う。
そして「一過性のボランティアではなく、持続的に支援するためには収益事業として行うのがベストなのでは」と考えて、吉田氏は地域支援事業を手掛ける株式会社あわえを2013年6月に立ち上げた。
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