珍言連発の原辰徳監督は「名将」か、それとも「迷将」か?:臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(1/3 ページ)
現役時代は「若大将」、監督になれば実績はすでに王、長嶋を超えている。にもかかわらず、名監督と認められないのが原辰徳という人物だ。なぜなのか?
著者プロフィール:臼北信行
日本のプロ野球や米メジャーリーグを中心としたスポーツ界の裏ネタ取材を得意とするライター。WBCや五輪、サッカーW杯など数々の国際大会での取材経験も豊富。
プロ野球の読売巨人軍が今オフ、巨大補強を完了させた。FA宣言した大竹寛投手(前広島)と片岡易之内野手(前西武)、さらに中日から自由契約となった井端弘和内野手も獲得。より盤石となった戦力で2014年シーズンの日本一奪回を目指す構えだ。
「これ以上ないニューフェースたちが加わった。2014年から新天地で素晴らしい働きをしてくれると確信しています」と目を大きく見開きながら語ったのは、巨人の現場をとりまとめる原辰徳監督。
2013年シーズンは2年連続でリーグ優勝を成し遂げながらも、第7戦までもつれた日本シリーズでは楽天に屈した。だからこそ悔しさをバネに日本一のチャンピオンフラッグを奪い返そうと血眼になっているのだが、世間からは「また金満球団ジャイアンツの悪いクセである“乱獲”が始まった」「生え抜きの若い選手が育たなくなるぞ」などと厳しい声も聞こえてくる。
ONをしのぐ監督実績なのに「まだまだ原はヒヨっ子」よばわり
世の中には「アンチ巨人」のファンも多いので、巨人が一挙一動ごとに揚げ足を取られてしまうのは仕方がない。これは今も昔も変わらず、人気球団ゆえの宿命だ。しかし、現在の巨人で1つだけ不思議な点がある。原監督が世間から「名将」として認知されないことだ。
巨人の第14、16代監督を歴任している原監督は通算10シーズンで日本一に3度、リーグ優勝も6度輝いている。しかも2009年の第2回WBCでは日本代表監督としてサムライジャパンを連覇へと導き、同年12月の世界野球連盟総会で世界最優秀監督にも選出された。
長い巨人の歴史を振り返ってみても、これだけの経歴を誇る人物はそういない。一概に比較はできないが、単純に成績面だけ見れば前人未踏のV9を達成した川上哲治氏(故人)に次ぐ功績を残していると言ってもいいだろう。王貞治氏(現ソフトバンク球団会長、巨人軍OB会長)や長嶋茂雄氏(巨人終身名誉監督)の巨人監督時代の成績をはるかにしのぎ、指揮官としては事実上の“2トップ越え”を果たしているにも関わらず、毒舌の巨人OBたちからは「ONに比べれば原なんて求心力もなく、まだまだヒヨっ子」という指摘が絶えない。
どういうわけか球界内にも古参の有識者を中心に「原監督には何となく頼りない面がある」というムードが漂っており、それがいまだ払拭(ふっしょく)できていないのだ。最近でこそようやく能力を認めて評価するようにもなってきたが、身内の渡辺恒雄球団会長も原監督が「名将」と呼ばれることに首をかしげている1人。これまで何かと原監督の采配にケチを付けたり、次期巨人監督の名前をチラつかせたりしていたのは記憶に新しいだろう。
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