バス停の広告にはどんなメリットが? あまり知られていない効果:杉山淳一の時事日想(2/5 ページ)
今までのバス停の広告は、停留所名の下の小さなスペースで、近隣の商店の名前と電話番号のみ。いったん掲出されたらずっと変わらない、という印象だった。それがバスシェルターになってから有名ブランドの広告に変わった。
世界標準サイズだから外資系に人気?
エムシードゥコー社は定期的に屋外広告関係者向けのセミナーを開催している。その中で、エムシードゥコー社のジャンコーム・ランフランキ氏は「屋外広告は最後のマスメディア」と語っている。
バスシェルターに掲示される広告は1750ミリメートル×1185ミリメートル。このサイズは「シックスシート」と呼ばれ、屋外広告の世界標準サイズとなっている。世界標準サイズとなると話は変わってくる。地域のバスシェルターといえども、広告メディアとしては世界の都市を網羅する巨大広告ネットワークの一翼を担う。前回も紹介したとおり、フランスのジェーシードゥコー社は56カ国、3700都市で展開。「シックスシート」その他を含めて100万基以上の屋外広告を運用している。
広告サイズの標準化は、広告主にとっても広告メディア運営会社にとっても都合がいい。私が関わっていたパソコン雑誌は、ほとんどが211ミリメートル×277ミリメートルだった。A4サイズより縦方向が20ミリメートル短い。半端なサイズだけど、なぜこうなったかというと、当時、最も広告出稿が多かったパソコン雑誌がこのサイズだったから。後発の雑誌を同じサイズで出せば同じ原稿が使える。同様にゲーム雑誌は210ミリメートル×260ミリメートルが事実上の標準サイズとなっている。
バスシェルターで言えば、「シックスシート」サイズで広告をデザインすると、世界の主要都市で、同じデザインの屋外広告を出稿できる。これは国際的に認知度を高めるために都合が良い。現在、バスシェルターの広告主に外資系企業が多い理由は、すでに海外でバスシェルターの広告を経験し、その効果を知っているからだろう。
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