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バス停の広告にはどんなメリットが? あまり知られていない効果杉山淳一の時事日想(4/5 ページ)

今までのバス停の広告は、停留所名の下の小さなスペースで、近隣の商店の名前と電話番号のみ。いったん掲出されたらずっと変わらない、という印象だった。それがバスシェルターになってから有名ブランドの広告に変わった。

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広告は2週間で交換、月曜日に切り替わる

 「シックスシート」は世界共通サイズだ。しかし、バスシェルターのデザインは地域によって異なる。「シックスシート」と「上屋」という基本構成は同じだ。しかし、海外ではバスの乗降の利便性を重視して、上屋の柱や壁面は歩道側にある場合が多い。日本では車道側に柱や壁面がある。これはバス利用者や歩道利用者の安全性を重視したからだ。

 また、上屋のデザインは都市ごとに異なる。街の風土や歴史を尊重し、都市ごとの景観にマッチしたデザインやカラーリングを提案するという。日本のバスシェルターは国内の著名な建築家やデザイン事務所が手がけている。富山ライトレールや広島のアストラムラインのトータルコーディネートを手がけた「GKデザイングループ」も参加している。

 バスシェルターの広告は原則として2週間ごとに交換される。上屋だけではなく、掲出する広告ポスターにも一定の基準を設け、美しいデザインの広告が掲出される広告主や代理店に要請しているとのこと。どの都市でも、屋外広告は街の景観を乱すもの、と捉えられがちだ。しかし、エムシードゥコーは「街に季節感とにぎわいをもたらし、景観向上に寄与する屋外広告を目指している」という。

 バスシェルター設置後の維持管理も徹底している。エムシードゥコーのスタッフが定期的にすべてのバスシェルターを巡回し、イタズラ書きや違法ビラなどは発見次第撤去される。広告交換に合わせて、2週間ごとに清掃も実施する。なるほど、道理で私の家の近くのバスシェルターはいつもきれいだ。埃(ほこり)などでくすんだところがない。


京都のバスシェルターは和の雰囲気をデザインに取り入れている

広告素材と清掃道具を搭載するメンテナンス作業車が巡回

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