「家族葬」とは? 押さえておきたい注意点と落とし穴:マネーの達人(1/2 ページ)
家族が亡くなったとき、身内だけで見送りたいという「家族葬」を望む人が増えています。ただ、実際には一般的な家族葬のイメージとはギャップがあるようです。こんなはずでは……ということにならないよう、家族葬とその注意点について紹介します。
「家族葬」と「親族葬」との違い
自分の大切な家族が亡くなったとき、「身内だけで故人をしのびたい」「家族だけで心温まる見送りをしたい」「費用を抑えてこじんまりと行いたい」という要望の高まりから、「家族葬」を考える人が増えています。
ただ、実際には、一般的な家族葬のイメージとはギャップがあるようです。後で「こんなはずではなかった……」ということにならないために、まずは、家族葬とはどんなものか、また、その注意点について紹介します。ただし、あくまでも北海道での現状ですので、そこはご了承ください。
家族葬とは、故人の家族だけで行う葬式のことです。狭い意味での家族を指し、人数にすると5〜10人くらいのイメージです。例えば私の父が亡くなったとして、父の姉である私の伯母やいとこたちは入りません。また、父と仲の良かった飲み仲間なども呼びません。そういう人たちを呼ぶのであれば、葬儀屋でいう「親族葬」(または一般葬)という形式になります。
つまり、家族葬とは「会葬者を一切呼ばない葬式」のこと。私自身「そんなに範囲が狭いのか」と、家族葬の認識が間違っていたことに驚きました。そういう人も少なくないかと思います。
「家族葬」と「親族葬」の費用の目安
家族葬の費用は、50〜60万円くらいが目安です。もう少し親しかった人たちも呼ぶのであれば、「親族葬」という形式で考えるといいです。
親族葬になると、香典返しの数を数えたり、通夜振る舞い用のお弁当の準備や布団のレンタル、火葬場までの移動の車を大型ワゴンからマイクロバスに変更するなど、さまざまな出費が少しずつ上乗せされます。祭壇や棺の種類、その他の備品についても多少の費用削減は可能ですが、一般的には最低80〜100万円程度は準備しておく必要があります。
「葬式代は50万円くらいだと思っていたのに、結局、100万円もかかった」となったら、驚いてしまいます。
私の祖母は2年前に103歳で大往生を遂げました。祖母自身の身内や知り合いは、ほぼ亡くなっている状態でしたので、身内だけで「おばあちゃんをしのぶ会」を行いました。孫である私や姉の子供(祖母にとってはひ孫)も合わせて10名くらいでしたから、今となって思えば、家族葬に近い親族葬だったかと思います。
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