「家族葬」とは? 押さえておきたい注意点と落とし穴:マネーの達人(2/2 ページ)
家族が亡くなったとき、身内だけで見送りたいという「家族葬」を望む人が増えています。ただ、実際には一般的な家族葬のイメージとはギャップがあるようです。こんなはずでは……ということにならないよう、家族葬とその注意点について紹介します。
押さえておきたい「家族葬」の注意点
「それでも家族葬にしよう!」と思っている人に、事前に知っておいてもらいたい注意点がいくつかあります。
- 後から親戚に「どうして知らせてくれなかったの?」と言われる可能性
- 近所から「うちもお香典を……」と言われる可能性
- 葬儀後、自宅に「お線香をあげさせてもらいたい」とつぎつぎと訪問を受ける可能性
など、その後の対応を考えると、親族葬(一般葬)にしておいたほうがあとあと楽だったという事態が起こりかねません。実際、こういうトラブルに悩む遺族は少なくないようです。ぜひ、こういうケースも想定して、どういう葬式にするかを考えてください。
FPとしては、ライフプラン作成時に人生に関わる費用として「葬儀費用」も組み込みます。しかし私はお金だけではなく、その人が「見送る側も見送られる人も、どういう準備をすれば心穏やかに最期を迎えられるのか」を話し合える場を持つ事が必要だと感じています。
「私の葬式は、こういうふうにして欲しいと思っているのよ〜」と、夢や希望を楽しく語り合っても良いではありませんか。私は菊の花より、色とりどりの大好きな花に囲まれたいですし、お線香は好きじゃない。素敵な音楽をかけて、来てくれた人がしんみりしないよう「あっちでまた会おうね〜」とお別れを言って、元気に帰ってもらいたい。そう思っています。
実際、私の知人で奥様を早く亡くされて「費用はある程度準備しているから、子供たちと仲良くしてもらった人で、自分の事を酒のさかなに楽しく宴会してもらいたい」という人もいます。
最期を考えることで、今するべき事が分かる
お金のことを話し合う、家族や親族間でコミュニケーションを図る、ご近所との人間関係を良好にする――。逆もまた真なりで「今の環境をより快適にする」ことが、しあわせな今後、そして最期につながるのです。(小林布紀子)
著者プロフィール:
小林布紀子
独立系ファイナンシャルプランナー事務所 ともあろう 代表
語学専攻の高校、大学で全く金融の教育を受けることなく、1996年に丸腰で社会に船出。就職氷河期にくじけ、少々の語学力を頼りに外国人向け免税店で働く。劣悪な環境から、「普通のOL」に憧れ、菓子メーカーで晴れて正社員として社会勉強の修行を積む。が、「大人の常識」になじめず、自営業に自由を感じ家業の保険代理店の3代目に収まるつもりが、改めて自分の「お金の知識の無さ」に愕然とする日々を過ごす。必死でFP資格を取得するも、取ってはみたけれどあまり変わらない自分に気付く。「知識だけでは、お客様の人生のお金の全部を解決することは出来ない」と。
その後、運命的に出会ったFPの実務家にご縁をいただき、「お金に悩まない家計」を目指す実務相談や「分かりやすいお金講座」を行うFPとなり、現在に至る。
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