インタビュー
人はなぜ「コカ・コーラ」や「アップル」の商品を買うのか:仕事をしたら“ブランド”が見えてきた(3/6 ページ)
日本の企業広告を見ていると、自社商品をアピールするものが多い。「目先の利益を追いかけなければいけない」といった理由があるのだろうが、本当にそれでいいのか。グローバル企業と日本企業の“違い”について、Neo@Ogilvyの山崎浩人さんに話を聞いた。
山崎: いいモノができた→売れた→もうかった――といった流れではなく、人間の幸せや社会の課題にどのように貢献できるのか。そうしたことに取り組んだ結果、利益を得ている企業が増えてきました。
土肥: 人間の幸せ? 社会の課題? でも、それって国や人などによって違ってきますよね。
山崎: 以下の8つの項目を見てください。これは「国連ミニマム開発目標」です(2000年9月、147の国家元首を含む189の加盟国代表の出席の下、21世紀の国際社会の目標として国連ミレニアム宣言が採択された)。
(1)極後の貧困と飢餓の撲滅
(2)初等教育の完全普及の達成
(3)ジェンダー平等推進と女性の地位向上
(4)乳幼児死亡率の削減
(5)妊産婦の健康の改善
(6)HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
(7)環境の持続可能性確保
(8)開発のためのグローバルなパートナーシップの推進
グローバルで活躍している企業は、こうした課題を解決するために、何らかの行動をしています。一方、日本の企業は「CSR」を社会貢献として取り組んでいるケースが多く、欧米における「社会問題の解決に役立つ商品やサービスを作る(時に利益の最大化を犠牲にしてでも)」という概念とは異なります。もちろん日本の企業すべてがそうではありませんが、海外のグローバル企業に比べて規模・方向性ともに違いがありますね。
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