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タダ飯を食べたかった「ドリアン・ナカモト」――ビットコイン、悲しき大誤報伊吹太歩の時事日想(5/5 ページ)

世界中で最もホットな話題の1つとなった「ビットコイン」。考案者とみられる人物を特定したというニューズウィーク誌のスクープ記事から、「誰でも分かるビットコイン騒動」を読み解く。

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本当に大事なのは間違いを検証する姿勢だ

 そもそもこの記事は勇み足の感がしなくもない。というのも、週刊誌であるニューズウィーク誌は2012年末で出版を止めて80年の歴史に終止符を打ち、その後はデジタルのみで発売していた。だがオーナー企業が替わったことで、この号から出版を再開。その目玉記事がこのナカモトに関するビットコインの記事であり、復活第1号となる記念号でドカンと話題作りをしたかったというのは否めないだろう。

 ニューズウィーク誌は記事が大きな物議を醸していることに、「グッドマン記者の取材はニューズウィーク誌を80年以上導いてきたのと同じ編集的・倫理的水準で行われた」と答え、伝統を抱えるニューズウィークの歴史まで巻き込む様相を呈している。だが誤報だとの見方が日に日に強くなっている。

 間違いは誰にでも、どんな伝統的なメディアにも起こり得る。大事なことは、間違いが起きたのかどうかをきちんと検証して、真摯に読者に納得させることである。ニューズウィーク誌の次の動きに注目だ。

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