女性蔑視の舛添新都知事にオススメしたい、「男女が逆転した世界」の動画:伊吹太歩の時事日想(1/3 ページ)
20年ほど前、女性の政治参加について「女は生理のときはノーマルじゃない。異常です。国政の重要な決定を判断されたくない」と言い放った舛添要一氏。女性への意識は今も変わっていないのだろうか?
著者プロフィール:伊吹太歩
出版社勤務後、世界のカルチャーから政治、エンタメまで幅広く取材、夕刊紙を中心に週刊誌「週刊現代」「週刊ポスト」「アサヒ芸能」などで活躍するライター。翻訳・編集にも携わる。世界を旅して現地人との親睦を深めた経験から、世界的なニュースで生の声を直接拾いながら読者に伝えることを信条としている。
先日行われた東京都知事選。当選した舛添要一氏は、フェミニストから目の敵にされている。「舛添要一を都知事にしたくない女たちの会」や「舛添に投票する男とセックスしない女達の会」といった組織が、彼を非難する活動を繰り広げた。
米TIME誌や英ガーディアン紙といった欧米の大手メディアでも、こうした組織の活動を通して、舛添氏が東京の女性から嫌われていると取り上げられた。記事でも紹介されているが、すべての端緒は舛添氏がかつて語った「女は生理のときはノーマルじゃない。異常です。そんなときに国政の重要な決定、戦争をやるかどうかなんてことを判断されてはたまらない」というトンデモ発言だった(編集部注:この「発言」を引用した福島みずほ氏のブログによれば、雑誌『BIGMAN』1989年10月号に掲載されているという)。
ちなみに舛添氏に対する「舛添に投票する男とセックスしない女達の会」のように、女性が政治や行政を動かすために集団でセックスを拒否する「セックス・ストライキ」は世界中で起きている。南米コロンビアやフィリピン、ベルギーでもデモのような形で行われている。
だが舛添氏の場合は性差別が原因であり、事実はどうあれ、世界的にもこうした女性蔑視的な発言が大々的に取り上げられるのは、日本の男性にとって恥だと言える。彼が日本男性を代表するなんて思われたらたまったものじゃない。あまりにも軽率なコメントだ。
たまたま男性に生まれた舛添氏は、現代女性の立場と、女性たちが日々受けている性差別を考える思考的柔軟性はないと見られても仕方がない。彼のような男性は、一度女性になって生活を送ってみたほうがいいのかもしれない(もちろん今はもうそんなふうに考えていないと思いたい)。
実は今、まさに「男女逆転」を題材にしたフランス発の映像作品がネット上で大きな話題になっている。
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