女性蔑視の舛添新都知事にオススメしたい、「男女が逆転した世界」の動画:伊吹太歩の時事日想(2/3 ページ)
20年ほど前、女性の政治参加について「女は生理のときはノーマルじゃない。異常です。国政の重要な決定を判断されたくない」と言い放った舛添要一氏。女性への意識は今も変わっていないのだろうか?
11分の映像作品「抑圧された多数派」
タイトルは「抑圧された多数派」。10分ほどのこの映像作品では、現代社会の中で男性と女性の立場が完全に逆転している状況を描写している。その説明文はこうだ。「女性によって支配された世界で日々の性差別に悩まされながら暮らすある男性の1日」。
日本でも男性と女性が内面で入れ替わるといったドラマなどは少なくないが、男性側がすべて女性で、女性側がすべて男性というのはあまり見たことがない。もちろんその冒険的な作品にはツッコミを入れたくなる部分もあるが、いろいろと考えさせられることもある。男性こそみるべき作品だ。
フランス語で制作されたこの作品は、今のところフランス語と英語の字幕が付いたバージョンのみで、残念ながらまだ日本語字幕はない。この話題の作品は一体どんな内容なのか、少し紹介しよう。
主人公は、フランスのある街に暮らす、ぽっちゃりした家庭的な男性のピエール。物語は、ピエールがベビーカーを引いてアパートに戻り、郵便受けをチェックするシーンで始まる。すると上半身裸の女性がジョギングの途中で、ナンパするかのようにピエールの前に現れる。そして「何か手伝う?」と聞くが、ピエールが「大丈夫だよ」と答えると女性はまたジョギングに戻った。
このエピソードを皮切りに、男性と女性の立場が入れ替わった世界が広がっていく。自転車で出かけるピエール。途中の信号待ちの間、ホームレスの女性がここには書けないような汚い性的な言葉でピエールに絡む。そして「お前のあれを○○○させろ」と言ってケラケラと笑い、こう続ける。「小銭を恵んでくれ」
こんな場面もある。ピエールが路上に自転車を駐輪すると、その横にある路地で、若い女性が「立ちション」ならぬ「座りション」をしている。用を足したその女性は、ピエールに「いいケツしてんなあ」と言葉を投げ、近くにいる仲間(若い女性3人)と合流する。すると4人でピエールをからかい始めるのだが、不機嫌になったピエールが「ビッチ」と言うと、4人は逆上。
ピエールを路地に引きずり込み、ナイフで脅して集団で性的虐待を加えるのだ。ズボンを下げられ、陰部をもてあそばれる。その後、ピエールは警察に被害届を出しに行くが、担当の女性警官は彼が受けた暴行のリポートをデリカシーなく声に出して復唱する。もちろん周囲にもまる聞こえだ。そして無表情で、調書にサインするよう告げる。そんな感じでストーリーは展開していく。
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