“リクルート流”とは何か? 中国でそれが通じた瞬間:新連載・上阪徹が探る、リクルートのリアル(1/6 ページ)
幅広い領域で次々とビジネスを拡大しているリクルート。今や売り上げは1兆円以上に。今のリクルートって、いったいどうなっているのか。第一線で活躍する“エース”たちから、今のリクルートのリアルを探る。
著者プロフィール:
上阪徹(うえさか・とおる)
1966年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学商学部卒業後、リクルート・グループなどを経てフリーランスのライターとして独立し、雑誌や書籍などで執筆。経営、経済、金融、ベンチャー、就職などの最前線のビジネス現場から、トップランナーたちの仕事論を分かりやすく伝えるインタビュー、執筆を得意とする。取材相手は3000人を超える。
著書に『書いて生きていく プロ文章論』『リブセンス<生きる意味> 』『成功者3000人の言葉 人生をひらく99の基本』『職業、ブックライター』『僕がグーグルで成長できた理由』など。インタビュー集にベストセラーになった『プロ論。』など。
東京・八重洲。銀座側にそびえ立つ都内屈指のオフィスタワー「グラントウキョウサウスタワー」。2階の総合受付を通過すると、奧には全面ガラス張りのエレベーターが6機。24階の中継地点まで、丸の内の全景を見渡しながら上昇していく。このビルの24階から最上階の41階に入居しているのが、リクルートグループだ。
実はこの文章を書いている私はかつて、リクルートグループで仕事をしていた。勤務したのは、1990年から1994年。最後に通ったオフィスは、銀座の古いビル。朝はなかなかやってこないエレベーターに、ときどき1階ロビーに社員が溢れていたのを覚えている。おまけにフロアは人がぎっしり。お世辞にも快適な仕事環境とは言い難かった。
私の記憶が間違っていなければ、当時の売上高は3000億円ほど。今、リクルートの売上高は1兆円を超える。グループ従業員数は2万5000人以上。退職してから、ちょうど20年。この間、会社は大きく変わった。リクルートに何が起きたのか。そして今、リクルートはどうなっているのか。それを、垣間見させていただく機会をもらえることになった。
事業の構造がどうなっているのか、ということにも、もちろん関心はある。だが、私自身にそれ以上に関心があったのは、リクルートで働く社員たちの姿がどうなっているのか、だった。私が知る限り、人こそが、リクルートの成長の原動力だと感じていたからだ。いったい、今はどんな人たちが仕事をしているのか。それを知りたくて、第一線で働く現役社員への取材を希望した。注目分野の“エース”たち。彼らのキャリアを通じて、リクルートのリアルを知りたいと思ったのだ。
売上高が1兆円を超えた今のリクルートを象徴するキーワード「グローバル」「新規事業」「テクノロジー」「戦略・人材活用」「M&A」を5つのテーマに、インタビューをお届けしたい。第1回は「グローバル」。35歳にして、リクルートのアジア現地法人を統括しているRGF HR Agent Groupマネージングディレクターの舘康人氏だ。
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