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「マイルドヤンキー」論がもてはやされる理由:窪田順生の時事日想(3/3 ページ)
「マイルドヤンキー」という言葉がもてはやされている。「上京志向がなく、地元で強固な人間関係と生活基盤を構築し、地元から出たがらない若者たち」という意味だが、なぜここまでブレイクしたのか。それは……。
まず言葉を正すべき
製薬会社が“疾患”をつくり出すことで薬を売っているように、ビジネスとして新たな“階層”をつくらなければいけないというのはよく分かる。なので、「マイルドヤンキー」自体を否定するつもりはさらさらない。ただ、この“階層”がおかしな文脈で使われないかだけが心配なのだ。
孔子は「論語」の中で、政治は名を正すことから始まる、と述べた。
誤った名(言葉)がまん延していると、人々が現実を把握できない。現実から目をそらした社会は秩序が乱れる。だから、世の中を良くしたければ正しい言葉をつかいなさい、というわけだ。
経済も悪くなり秩序が乱れそうなこのタイミングで、「マイルドヤンキー」という面白ワードがポンと出てきて、もてはやされている。
この現象が意味することを、もうちょっと冷静になって考えるべきではないか。
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