連載
コンビニで展開されるキャンペーンが、つまらない理由:ご一緒に“おでん”いかがですか(2/4 ページ)
コンビニをのぞいてみると、さまざまなキャンペーンが展開されている。しかし、そのほとんどがつまらない。その理由は……。
メインのキャンペーンは、集客力もあり、収益増加に一役も二役も買っていそうだが、ひっそりと行なわれているキャンペーンに意味はあるのだろうか。POPなどにお金はかかっているのに、なぜ地味なキャンペーンを行うのか。読者も疑問に感じるところだろう。
答えは簡単だ。
キャンペーン費用のほとんどは、メーカーが出しているのだ。もちろん100%とはいわないが、キャンペーンのPOPからオマケの資金まで、メーカーからの協賛金があってこそできるのだ。
では、コンビニの本部は何をしているのか。キャンペーンの企画を練る。対象の商品を決める。その時に、対象商品のメーカーからPOP作成費用から景品の費用を協賛金という形で徴収する。
そこには、おのずと力関係みたいなものがにじみ出てくる。当然のことながら、キャンペーンの展開がちゃんとできるコンビニには、メーカー側もカネ払いがいい。そんなコンビニは、メーカー側に対しても強気だ。「ウチでキャンペーンやるから、よろしく頼むよ♪」の一言で、企画がまとまる。
逆に、キャンペーンの実行率が悪ければ、メーカー側が強くなる。「あんたのところ『キャンペーンをやる』と言ってたのに、やんないじゃん。そんなコンビニにカネは払えんよ」となる。
こうしたやりとりは、キャンペーンだけにとどまらない。通常の仕入れ時にも影響が出てくる。量を多く仕入れられるチェーンには、仕入れに対するバックマージンが多く発生するのだ。
関連記事
- もう振込用紙を持って来ないで! コンビニが「収納代行」を止めたい理由
「電気・水道・ガス・電話などの利用料金はコンビニで振り込んでいる」という人も多いだろう。しかしこの「収納代行」……とにかく面倒で、コンビニオーナーだけでなく本部も「止めたい」と思っているのではないだろうか。 - 年末年始のコンビニは“コロコロ”変わる――なぜそんなことができるの?
クリスマスが終わって、さあ次は正月の準備だ――そんな人も多いだろう。コンビニの売り場を見ても、今は正月100%といった感じ。昨日まではクリスマス一色だったのに、今日は正月一色に……。売り場を変幻自在に操れる背景には、一体何が? - なぜコンビニのクリスマスケーキは売れるようになったのか――知られざる裏事情
数年ほど前から、コンビニのクリスマスケーキが売れている。理由の1つに「おいしくなった」ことが挙げられるが、それだけでもないらしい。大手コンビニの本部で働き、現在はコンビニオーナーを務める筆者が裏事情を明らかにした。 - ローソンのコーヒーは誰が飲んでいる? データから見えてきたコト
「コーヒーはコンビニで買う」という人が増えてきているが、一体どんな人が購入しているのだろうか。ローソンのPontaカードを分析すれば「どういった人が何を買ったのか」が分かるので、担当者に直撃。男性20〜40代がよく飲んでいるのは……。 - コカ・コーラのようなマーケティングが、日本でできない理由
とあるコンサルティング会社が発表した「企業のブランド価値」ランキングによると、「コカ・コーラ」が13年連続でトップ。日本企業を見ると、トップは「トヨタ」で10位どまりだ。Neo@Ogilvyの山崎浩人さんは、コカ・コーラはある特徴的なマーケティング
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.