本命は何? リクルートが“未来レストラン“で示した「スマホの次」:ウエアラブルとビッグデータ(3/4 ページ)
ウエアラブルとビッグデータ。ここに次のビジネスチャンスが埋まっていると考える人は多いかもしれない。ただ、形はまだぼんやりしている。先日行われた“未来レストラン“の実証実験イベントより、リクルートが「スマホの次」をどう考えているか、キーマンに話を聞いた。
リクルートが考える「スマホの次」の技術
── 展示ではウエアラブルグラス(スマートグラス)、Bluetooth(iBeacon)、赤外線、AR(Augmented Reality:仮想現実)など、商品化間近と言われるものから既存のものを応用したものまで、今回はいくつかキーとする技術別に提案しましたね。この中で一番力を入れたい部分は、やはり「ウエアラブル」なのでしょうか。
米谷氏 ウエアラブルもそうですが、現実的なのは実は「ジェスチャーによる入力」かもしれません。例えば今回展示したKinect(マイクロソフト開発のジェスチャー操作と音声認識で操作できるデバイス)のシステムは、あくまで今ある機器と機能、技術を応用したものです。席へモーションセンサーカメラがあり、お客さんが何かジェスチャーを行えば……とできるなら、これまでできなかった何かができるようになる可能性が広がると思いませんか。
もちろんウエアラブルデバイスも当然やっておかなければと強く認識しています。今回の展示「スマートグラス+ARメニューで遠隔注文」は、スマートグラスをかけたお客さんが、画面にAR(仮想現実)として浮かび上がるメニューに視点を合わせるだけで注文できるようにするというものです。
── 紙のメニューに対して「これをお願いします」と指差して注文する行為を擬似的に拡張するイメージですね。現時点、客としては「はい、これを」とレストランに入ってスマートグラスを渡されても最初は戸惑いそうですが、障がいを持つ方、海外の方向けなど、応用の仕方で顧客サービスの向上につながる何かはできそうです。
米谷氏 今回の展示には残念ながら間に合わなかったのですが、スマートグラスの機能で来店者を認識し、過去履歴などを参照するような連携事例も考えられます。裏にはビッグデータのマイニングから、身近なものではSNS連携といったシステムが動いていることももちろん想定できますよね。店舗として顧客サービスをより向上させられる手段です。客としても「常連(のように大切にされる)対応」をしてくれば、よりうれしいですよね。
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