スマホ中毒だからこそ「スマートウオッチ」に期待する逆説的な理由:半径300メートルのIT
iPhoneのようにポケットに収まるサイズのスマホは便利ですが、ほんのちょっとの空き時間にも触りたくなってしまうほどのスマホ中毒の筆者。「ながら歩き」をやめるために考えている方法とは?
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。アイティメディアのONETOPIでは「ディズニー」や「博物館/美術館」などのキュレーターをこなしつつ、自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め日々試行錯誤中。
今回はスマートフォンについてのお話をしたいと思います。いままで、筆者は「小さな携帯端末」が大好きでした。通話もメールもあまりしなかったので、常に持ち運ぶ携帯電話は小さければ小さいほど便利でした。
2013年冬の新作スマホを見ると、どれもこれも5インチ級液晶画面を備えた大きなものばかり。女性には小さなスマホが向いているのかと思いましたが、操作性を考えるとむしろ女性こそ大きく使いやすいものが選ばれる傾向にあると聞きます(バッグに入れればいいので大きさは関係ないとのこと)。これからのスマホはコンパクトさよりも、大容量バッテリーを内蔵し、文字入力も簡単な大型機種が売れるのでしょう。
危険なスマホの「ながら歩き」をやめたいのに……
小さな端末大好き派の筆者でしたが、考えが変わりました。ある程度の大きさで1日しっかり持つ端末のほうが便利ではないか。それにポケットに収まる端末は、ほんのちょっと空いた時間があると触ってしまうという「スマホ依存」を引き起こすのではないかとも。実際、Twitter、Facebookなどのタイムラインに何か新着情報はないかと常に確認するようになってしまいました。
ここ最近、「スマホながら歩き」が問題視されています。駅を歩いていてもスマホの画面に集中して前を見ていない人が目立つようになりました。集中するあまり、電車が来る踏切に入り込んでしまうという痛ましい事故も発生しました。
米国でもスマホのながら歩き、そしてながら運転(!)が大きな問題となっており、AT&Tなどをはじめとする通信事業者は、運転中にテキストメッセージのやり取りをしないよう啓蒙(けいもう)する「it can wait(参照リンク)」キャンペーンを実施しています。
スマホの登場で私たちの生活は本当に便利になりました。知らない街で迷うこともなくなりましたし、いつでも連絡が取れるようになりました。その見返りで命を落とすようでは本末転倒。でも、ポケットにあると思わず触ってしまうのもスマホなのです。自分の意志の弱さがよく分かりますね。
「大きなスマホ+小さなウェアラブル端末」がトレンドに?
むしろポケットに入らず、カバンの中からすぐに取り出せないタブレットがいいのではないかと思うようになりました。ただし、課題もあります。大きな画面で作業ができるタブレットですが、カバンの中では着信があっても気付けません。
そこで期待しているのが「スマートウオッチ」です。サムスン電子の腕時計型端末「GALAXY Gear」、ソニーモバイルコミュニケーションズの「SmartWatch 2 SW2」が10月末に相次いで発売されます。
20年ほど前ならば、常に知りたい情報は「時刻」でした。情報過多の時代ですが、それでも必須の情報なんてそんなに多いとは思いません。高機能もいいのですが、むしろLINEやTwitter、Facebookなどのメッセージが届いたことを知らせるだけの単機能デバイスがちょうどいいのではないかとも思っています。
スマートウオッチの登場で、さらに情報過多になるのか、それとも“情報ダイエット”が実現できるのか……。後者を重視した製品の登場を心から望んでいます。
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