コンビニコーヒーの味に違いはあるの? 科学的に分析した:仕事をしたら“味”を分析できるようになった(3/6 ページ)
外出先で「ちょっとコーヒーを」と思って、カフェチェーンに立ち寄る人も多いのでは。ファストフードやコンビニでも気軽にコーヒーを飲むことができるようになったが、その味に違いはあるのか。味を分析できる機械を使って調べたところ、意外な事実が……。
コーヒーチェーンのコーヒー
鈴木: まず下の図を見ていただけますか? これは「コーヒーの味マップ」。縦軸は、上にいくほど「コク」が強くて、下にいくほど「あっさり」しています。横軸は、右にいくほど「苦味」が強くて、左にいくほど「酸味」が強いことを示しています。
ここで、ドイさんに質問です。今回用意した6つのコーヒー(スターバックス、ドトール、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、ミスタードーナツ)の中で、「コクが強くて苦味のある」モノはどれだと思いますか? 赤い丸で囲っているところですね。
土肥: あ、それは簡単。スタバのコーヒーですよ。あれは、かなり苦味を感じますからね。
鈴木: 正解! では次に「あっさりして酸味が強い」のはどこのコーヒーだと思いますか? 緑の丸で囲っているところですね。
土肥: むむ。これはちょっと難しい。マクドナルドかミスドのコーヒーでは?
鈴木: 残念。これはドトールなんですよ。マップを見ていただければ分かりますが、スタバとドトールのコーヒーは真逆に位置していますよね。ということは「両社の顧客は違う」とみてとれるんですよ。つまり、「コクがあって苦味の強いコーヒーが好き」という人はスタバ、「コクの強いのは苦手なので、あっさりして酸味の強いコーヒーが好き」という人はドトール。
土肥: 何度か飲んでいる人であれば、分かると思うんですよ。同じコーヒーカップを使っても「こっちはスタバ」「こっちはドトール」といった感じで。それほど両社のコーヒーの味は違う。ただ「違う」と分かっていても、それがどのくらい違うのか、言葉で説明することは難しいですよね。多くの人は、スタバのコーヒーを飲んで「苦いなあ」、ドトールのコーヒーを飲んで「薄いなあ」といった表現しかできないと思う。でも、味覚センサーを使うと、数値化されるのでかなり違うことが分かりますね。
これは憶測ですが、ドトールは“スタバのコーヒーは苦手”という人を狙っているのかもしれません。コクがあって苦いコーヒーは嫌いという人に「ウチのコーヒーはさっぱりしているから、いかがですか?」という戦略。……と思わせるくらいのポジションですね。
鈴木: です、です。
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