……えっ、靴買いに行ったんじゃないの?:女性脳と男性脳の論理(2/3 ページ)
ビジネススクールで論理思考を教える“男性脳”の筆者が、摩訶(まか)不思議な存在である女性と女性の脳を観察、分析する。今回のテーマは、「なぜ女性は靴を買いに行って服を買って帰ってくるのか」について。
女は出会いに「あっ!」となって、物を買う
溜田: これはもしかしたら、男性と女性、お互いに理解し合えないことかもしれないんだけど……。なぜ女性はカバンを買いに行ったのに、別のものを買って帰ってくるのだろう、と。しかも男はそれに文句を言う。「なんでカバン買いに行くと言ったのに、カバンを買ってこないんだ」って。そういう場面、皆さんは経験したことありますか? そもそも、私がこんなことを不思議に思うこと自体、皆さんから見ると不思議なのかもしれないけど……。
Kさん: 私はありますよ。
Sさん: 私もあります。
Kさん: 出かけるってことは何かしら目的があって出かけるんだけど、私は衝動買いもすごくするし、「あれ、これって出会いかな」って思っちゃう。しかも“出会い”って思うと、「これは今買わないと損。今しかない」って思っちゃう。
溜田: 「期間限定」とでも書かれていたら、男でも買いたくなってしまうかもしれないけど……。でも、そう書いてなくても買いたくなっちゃうという意味?
Kさん: 書いてなくても。「これ、私しか見つけてないかも!」と思っちゃう。(あ、それ、うちの奥さんもよく言ってる気がする。「このコート、私のために作られたみたいにピッタリなの」って言ってたこともあったな)私しか見つけてないから、今が買い時!って。(その思い込みがすごい)
溜田: Sさんもうなずいているってことは、同じような経験があるの?
Sさん: あります。今日はスカートが欲しいなって思って試着室に入って、店員さんが「このトップスも」って言って、「ちょっと着てみようかな」と思って着て、「あっ、似合うじゃん」って。「スカートのほうは思っていたのと違ったから、このトップスだけ買って帰ります」っていうのはあります。(さすが売り手は女性の心理を読んでいるな)
という具合だ。やはり、これは女性に共通の傾向かもしれない。キーワードは「あっ!」という感覚だ。その意味するところは、思いもよらなかった出会い、予定しなかったものとの運命、といった感じだ。
もう少し、聞いてみよう。
Kさん: 決めたものしか買わない人もいるとは思うけど、なんか、その場のノリがあるんですよ。お店の人が「これ、すごく使い勝手がいいんですよ」とか「似合ってますね」とかなんとか言うと、「ここまで来て買わないっていうのはカッコ悪い」とか思っちゃうんですよね。(お、それは少し分かる)だからすっごい盛り立てられちゃう感じ。
溜田: 男も見栄で買うことはあるかもしれないね。盛り立てられちゃって。
K女史: んー。あとは、なんか多分、ここにいるメンバーは皆、自分でそこそこ稼いでいるからかもしれないけど、素の状態として足りないものがそんなにないんですよ。どうしても必要なものがあるから買い物に行くシチュエーションっていうと、黒のパンプスが同時に何足もヘタッてしまったとか、トイレットペーパー買い忘れていたとかぐらいで、それ以外のところでの欠乏感っていうか物欲はあまりない。ないんだけど、出会いがあると「とりあえず買っておくか」。
Kさん: 「使えそうだから」って感じで、結果、紺やベージュ、黒ばっかり買っちゃうんですよね。よく見てみると、ボタンが1個か2個違うとか、黒いカーディガンもこっちは長いとか。周りから見ると全部一緒の服を着てるように思われているんだけど、自分の中では違うっていうか。前の会社で「毎日、同じスーツだな」って言われたんですけど、いやいや、昨日は1つボタンで、今日は2つボタンです、みたいな。(それ、私も見分けられないかも)
K女史: そうそう。私もクローゼット開けると、黒、白、グレー、紺、ベージュ、以上! ってなってる。(ここでもカミングアウトしてたんだ。納得)
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