王者「ガリガリ君」を倒したのは? ロッテアイスの戦略が面白い:仕事をしたら“レシート”が集まった(前編)(4/7 ページ)
アイスクリーム市場が活気に沸いているが、どの商品が売れているのだろうか。業界などが発表している売れ筋ランキングではなくて、消費者のレシートを分析したところ、意外な結果が! それは……。
地域別のランキング
土肥: 次に、地域別のランキングについて教えていただけますか。
平野: 地域別でみても、「ガリガリ君」が制覇しましたね。先ほどの男女・年代別のランキングと同じように、上位については大きな変動はありませんでした。
ただ、その中でも16位にランクインした「ブラックモンブラン」(竹下製菓)は興味深いですね。他の地域では20位前後をウロウロしているのですが、九州では5位。「ブラックモンブランってなに? 食べたことがない」という人もいるかもしれませんが、このアイスを製造している竹下製菓の本社は佐賀県。ということで、九州の人には昔から「ブラックモンブラン」をよく食べてきたのではないでしょうか。
九州の人にとっては「えっ、1位じゃないの?」と思われるかもしれませんが、それほどアイス市場の上位は“盤石”だとも言えるんですよね。なので、5位は大健闘だと思っています。
土肥: 18位に「北海道バニラバー」がランクインしていますが、やはり北海道の人には支持されているようで、13位に食い込んでいますね。
平野: よーく、見ていただけますか。九州の人もよく食べていて、13位なんですよ。九州は暑いので、涼しい北海道への憧れ……のようなものがあって、食べてみようという気分になっているのかもしれません。
暑いところは、よりアイスのこだわりがある。逆に、涼しいところは、あまりアイスのこだわりがない。そんな傾向があるのではないでしょうか。例えば、鹿児島では「しろくま」が生まれ、高知では「アイスクリン」が有名。このほかにも、暑いところではそこでしか食べることができない“インディーズ・アイス”がたくさんありますよね。
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