ヒラリー、高額な講演料で“ボロ儲け”――米国民がついにキレた?:伊吹太歩の時事日想(1/3 ページ)
次期大統領候補と呼び声高いヒラリー・クリントン氏が、今米国中で非難を浴びている。その原因はなんと講演のギャラ。一体いくらもらっているのか。今回は米英における“元官僚”の副業に焦点を当てる。
著者プロフィール:伊吹太歩
出版社勤務後、世界のカルチャーから政治、エンタメまで幅広く取材、夕刊紙を中心に週刊誌「週刊現代」「週刊ポスト」「アサヒ芸能」などで活躍するライター。翻訳・編集にも携わる。世界を旅して現地人との親睦を深めた経験から、世界的なニュースで生の声を直接拾いながら読者に伝えることを信条としている。
最近、米ワシントン・ポスト紙に興味深い記事が掲載された。
次期大統領候補と呼び名の高いヒラリー・クリントン前国務長官が全米各地の大学で行っている講演会に賛否が巻き起こっているという。その理由は、彼女に支払われるギャラだ。その額があまりに高いことに注目が集まっている。
2013年2月に国務長官を退任してから、クリントンの動向はメディアを騒がせてきた。どこかに登場するたびに、メディアは彼女が2016年に予定されている大統領選の出馬をほのめかさないかと注視している。個人的には彼女の出馬は間違いないと見ているが、今はまだ出馬を明言せずにメディア側をじらして、注目度(商品価値とでも言うべきか)を上げる狙いがあると感じる。
そんな注目度が高いクリントンだからか、講演のギャラも驚くような金額だ。例えば2014年3月にUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)で行った講演のギャラはなんと30万ドル(日本円で約3050万円、2014年7月10日現在)だった。さらに4月にコネチカット大学で行った公演のギャラは25万1250ドル(約2550万円)。たった2回話しただけで、5000万円を優に越える収入を得ているのだ。
もちろん大学側にも思惑はある。クリントンの発言はメディアに取り上げられるため、大学にとってはいい宣伝になるのだ。とはいえ、とんでもない額であることは間違いない。
米国では、閣僚など一度でも高位を経験すると、後はこうした講演などで高額なギャラを得られるようになる。その証拠に「バックレイキング」と呼ばれる、いわゆる「副業」的な仕事で高額な収入を手にしている元大統領や閣僚は、ヒラリー・クリントンだけではない。
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