体長0.05ミリの生物は次に何を動かす? ミドリムシが創る「未来」:仕事をしたら“軽油”ができそう(後編)(3/5 ページ)
2020年――。ミドリムシが飛行機を飛ばすのが、当たり前になっているかもしれない。体長0.05ミリの生物がどのようにして飛行機を飛ばすのか。ミドリムシの大量培養に成功した、ユーグレナの研究者に話を聞いた。
クルマの次、何を動かしますか?
土肥: ミドリムシの油を使って軽油を作ることができれば、他の燃料も作れるのではないでしょうか。現在、ユーグレナでは飛行機を飛ばす燃料も研究されているそうですね。クルマを動かす軽油と、飛行機を飛ばす燃料ってどのような違いがあるのでしょうか?
鈴木: 簡単に言うと、沸点と凝固点が違いますね。クルマに使う軽油は地上で使えますが、空中に持っていくと寒いので固まるんですよ。一方、飛行機に使うジェット燃料は、寒い状況でも固まりません。
土肥: 前回、ミドリムシから軽油を作るには「分子構造を同じにしなければいけない」という話をされましたが、ジェット燃料についても分子構造を同じにしなければいけないのでしょうか?
鈴木: はい。
土肥: 作るのはどちらが難しいのですか?
鈴木: 燃料を開発する技術というのは、お互い使える部分があるんですよ。なので、ジェット燃料の研究を進めながら、軽油の研究にも応用できます。
土肥: ジェット燃料の実用化は2020年を目指されていますが、その次はガソリンですか?
鈴木: ガソリンの研究も行っているのですが、いまのところ慎重に……という姿勢ですね。というのも、ガソリンに代わる燃料として、電気、水素などが開発されていますので、この市場に参入するのが難しいんですよね。
土肥: なるほど。ミドリムシがクルマを走らせて、ミドリムシを使って飛行機を飛ばして……となると、次は何を動かしましょうか? 船とか?
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