本命「レッドブル」、では対抗は?──競争激化、エナジードリンク夏の陣:ビジネスパーソンの新「朝習慣」に(3/3 ページ)
エナジードリンク市場が活況、ブランド別の競争が激しくなっている。特にビジネスパーソンの意識の変化が目立ち、「朝習慣」も一般化しつつあるようだ。
ビジネスパーソンに特化した「リゲイン エナジードリンク」の戦略
リゲイン エナジードリンク(関連記事参照)は、かつて“24時間戦えますか?”のキャッチコピーで一世を風靡した第一三共ヘルスケアの栄養ドリンク「リゲイン」ブランドを用い、サントリー食品インターナショナルがエナジードリンクに仕上げたコラボ商品だ。若年層を中心に活況のエナジードリンク市場に対し、「でも自分向けではない」と感じていた30代〜40代のビジネスパーソン(特に男性)を主ターゲットに据えた。
ラムちゃん姿のすみれさんが登場するテレビCMのコピー「“3、4時間”戦えますか?」も、あはは、なるほどね、と思った人は多いかもしれない。本家リゲインの風味や栄養設計を参考に、指定医薬部外品である栄養ドリンクには添加できない「炭酸」など、清涼飲料ならではの「体感と刺激」を加味した。成分もライバル飲料の倍以上とうたう「(糖原性アミノ酸)アルギニン1000mg」をはじめ、ビタミンB1、B2、B6を日本人食事摂取基準値の一日分を配合し、「働く人が“起動”したいときにふさわしい栄養設計と体感・刺激感が得られる」よう設計した。
エナジードリンクは「職場近くのコンビニエンスストア」(57.8%)で手軽に買えることから、「1年前と比べて飲用頻度が増えた」(48.5%)率は、「減った」(8.8%)を大きく上回ったことも2014年夏のトピックだ。
商品の役割とビジネスパーソンがやる気を高めたい「始業前・出社時」のシーンが合致。また、ちょっと若すぎると感じていたこれまでのエナジードリンクのイメージに対し、“効く”と認識していたかつての栄養ドリンクのイメージが残り、商品ターゲットも自分たち向けととらえた。
また、栄養ドリンクの“マイナスからのリセット”ではなく、フラットな状態をプラスにするエナジードリンクのよい意味でのカジュアルさが、現在の30〜40代が仕事のパートナーに適すると改めて意識するきっかけになった理由の1つのようだ。
「リラックス」のコーヒー、「よっしゃ! やるぞ」のエナジードリンク。あなたが仕事前に飲むのは、何ですか?
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2005年に日本に上陸して以来、徐々にファンを増やしている『レッドブル エナジードリンク』。日本参入当初、医薬部外品としての認可が取れずに、炭酸飲料として売らざるをえなくなったことが逆にブランドの拡大に貢献したと筆者は主張する。
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