インタビュー
なぜ世の中に悪い人は少なく、いい人が多いのか:仕事をしたら“動物”のことが分かってきた(前編)(5/8 ページ)
「また騙された。正直者がバカをみる世の中はおかしい」と感じたことがある人も多いのでは。トクをするのであれば悪い人が増えそうだが、この世はいい人のほうが多い。なぜか? そこで動物の行動に詳しい、竹内久美子さんに人間の生き方を聞いた。
スズメが「チュンチュン」鳴く理由
土肥: シャコといい、チンパンジーといい、騙すのが上手ですね。でも、私たちは小さなころから、親や教師からこのように言われ続けてきました。「人を騙してはいけない」「他人を思いやりなさい」「マナーを守りなさい」などなど。「自分はシャコやチンパンジーのようにしたたかに生きれない」という人に、何か参考になる動物っていますか?
竹内: スズメって「チュンチュン」鳴きますよね。
土肥: はい。
竹内: 実は、意味もなく「チュンチュン」と鳴いているわけではないんですよ。
土肥: どういうことでしょうか?
竹内: エサを最初に見つけたスズメは、「チュンチュン」と鳴く。仲間にエサがあることを知らせるためなんですよ。
土肥: 思いやりがありますね。いい話。
竹内: いえいえ、そうでもないんですよ。スズメというのは自分だけでエサを食べていると、敵に襲われるかもしれません。そこで「チュンチュン」と鳴くことによって仲間を呼んで、みんなで警戒しているんですよね。つまり、敵にやられる確率を減らそうとしている。
土肥: なんと。
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