日本人の葬儀スタイルは、どのように変化していくのか:誠 Weekly Access Top10(2014年9月8日〜9月14日)(2/2 ページ)
日本人の年間死亡者数をみると、1998年には94万人だったが、2040年ごろには166万人になると予測されている。葬儀件数は、今後30年間増加が見込まれているが、お葬式のスタイルはどのように変化していくのだろうか。
葬儀スタイルの変化
葬儀スタイルは今後、どのように変化するのか。記者は「葬儀会社を利用する人は増えると思うが、葬儀の規模は小さくなる」とみている。なぜ規模が小さくなるのか。理由は2つあって、1つは「親戚や近所との付き合いが面倒だから」。もう1つは「お金がかかるから」。
葬儀にお金の話なんて出すなよと思われるかもしれないが、一定規模の葬儀を行う場合、200万円ほどかかる。しかも、ここ数年、香典を受け取らない葬儀が増えているように感じている。ということは、その分だけ遺族にとって金銭的な負担がのしかかってしまうのだ。
名古屋市に本社を置くティアの冨安徳久社長はこのよう言っている(関連記事)。「その昔、結婚式も自宅でやっていましたよね? でも、いま自宅でやっている人はほとんどいません。なぜなら『キレイなところでやりたい』『おいしい料理を食べたい』といったニーズがあって、それに多くの人が順応された。一方の葬儀はお祝い事ではないので、結婚式のように急速にスタイルが変化することはないでしょう。ただ、時代の変化とともに葬儀スタイルも変化していくのではないでしょうか」と。
いわゆる“おひとりさま”が増えていく中で、“人とのつながり”を求める人も増えているように感じる。生き方の多様化が進む中で、葬儀スタイルはどのように変化していくのか。国立社会保障・人口問題研究所によると、日本人の死亡人口は2039年まで増え続けるそうだ。
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