なぜコロプラは新入社員に家具を作らせたのか?:いまどきオフィスの勘所(1/3 ページ)
コロプラがオフィスを拡張した。ともすれば、オフィス作りは“他人ごと”になりがちだ。オフィスに愛着を持ってもらうためには?
「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」や「白猫プロジェクト」といったスマホゲームを生み出したコロプラ。もともと「コロニーな生活」という位置情報を利用するゲームからスタートし、近年では位置情報ビッグデータを使った商圏分析リポートの提供も行っている。
当初は即戦力エンジニアの中途採用が主流だった同社だが、近年、新卒採用にも力を入れている。その結果、社員数も400人を超える大所帯となり、2014年9月末には恵比寿ガーデンプレイスのオフィスを大増床することになった。
これを機に、「ワークショップ型オフィスデザイン」と称して社員自らが執務空間のオフィス家具を自作したり、会議室をグラフィックデザイナーが飾り付けたりといった取り組みを行った。テーマは、「一丸となれるオフィス」「コロプラ史上最もクリエイティブなオフィス」。
この試みを支えたのが三井デザインテックのチーフデザイナー、三浦圭太氏だ。コロプラの新入社員やデザイナーが手作りで家具を作っている現場で、その狙いと効果について聞いた。
オフィス作りはたいてい「他人ごと」
「創造的なオフィス」を社内外にアピールするIT企業は多い。もちろん、オフィスの機能的な設計によって従業員のパフォーマンス向上が期待できる。だが、エンジニアをはじめとする深刻な人材不足を抱える企業が、「楽しく働けるオフィス」を新規人材確保、従業員の離職防止に役立つ問題解決の手段と考えていることも否定できない。
では、「創造的なオフィス作り」はどこからスタートするのだろうか? 「多くの案件は総務部が主導しますが、最初は問題解決というよりも、単に不満点を解消するためのオフィス作りになりがちですね。その意識を変えるところから始めます」(三浦氏)
従業員に対してアンケート調査を実施すると、オフィス環境に不満を持つ人は7割程度いるという。しかし、それを解消するためのアイデアがあるかどうか、またはアクションを起こしたいかどうかを聞くと、前向きな回答は3割にも満たない。
三浦氏は「おそらく、オフィス作りは“他人ごと”だと考えてしまっているのでしょう」と推測する。それゆえ、実際にそのオフィスで働いている人がオフィス作りに参加することが意識改革を促すポイントなのだ。かつて同氏が手掛けた事例にヤフーのオフィス改革がある。そこでは、ヤフーの宮坂学社長自らがプロジェクトメンバーを集め、オフィス改革に望んだ。
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