巨人優勝の裏で……。年俸440万円、厳しい生活を送る二軍選手たち:臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(2/4 ページ)
プロ野球セ・リーグで巨人がリーグ3連覇を達成した。祝勝会に参加できた選手はごくわずかで、同じ巨人の一員であっても普段と変わらない生活を送っている選手がたくさんいる。そんな彼らの生活とは……。
“クビ通告”を受ける可能性も
ジャイアンツに入ってスターになり、両親に大きな家を買ってあげる――。この選手は小学校の卒業文集にその「夢」を書き、憧れだった巨人入団を果たした。子どものときからの夢をつかんだようにも思えたが、それは入団した当初まで。その後はサッパリで入団から数年経った今も次のステップを踏むことができず二軍ですら目立った活躍を残せずにいる。この調子ではCS、日本シリーズのポストシーズンでの一軍昇格どころか、今オフに球団から「来季は契約しない」と“クビ通告”を受ける可能性も十分あるだろう。
巨人だけではない。プロ野球12球団の各チームには、こうした苦しい立場に置かれた未完のプレーヤーたちが二軍にゴロゴロいる。「プロ入りすれば万々歳」というわけではなく、億単位の年俸を手にするなど恵まれた待遇面を得ることができるのは陽の当たる一軍のグラウンドでプレーできるほんの一握りの選手たちだ。
一軍未満の選手たちの年俸を見てみたい。プロ野球球団に所属する選手の最低年俸は育成契約の240万円。単純に月給換算すれば20万円である。そして支配下登録となる二軍選手の最低年俸は440万円。各球団と契約を結んだ選手は入団後に寮へ入るが、その寮費は安価に設定されているとはいえ基本的には「免除」というわけにはいかない。
「寮の食事はプロ選手の身体を作り上げる栄養士が調理する。作る量も毎食当然多くなるから、食費を含めた寮費は1人1人から徴収しなければ寮の維持は難しくなる。アマチュア時代によほど実績があって、それこそ『三顧の礼』で迎え入れたスター候補生ならば内々で寮費を免除、あるいは格安にするケースもあるが、基本的にはキッチリ徴収する」(セ・リーグ球団関係者)
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