インタビュー
なぜ中国で“甘いマヨネーズ”が売れたのか キユーピーの地道な作戦:仕事をしたら“粘り腰”で売れた(6/7 ページ)
中国で“甘いマヨネーズ”が売れていることをご存じだろうか。キユーピーが中国で展開を始めたのは1993年。当時の家庭に「マヨネーズ」はなかったが、どのようにして普及していったのだろうか。同社の広報部に聞いた。
中国内陸部への展開を予定
土肥: 日本でマヨネーズが登場したのは1925年。そして、消費者に浸透するまで30年以上かかりました。そう考えると、中国での普及スピードはものすごく速いですね。
広報: かつての日本も洋食文化が入ってきて生野菜を食べる人が増えていきました。それと並行するようにマヨネーズ市場が拡大していったわけですが、いまの中国でもかつて日本で起きていたことが、再現されているといった感じですね。
ひとつ違うのは、ドイさんがご指摘された「スピード」。時代環境が違うので単純に比較することはできませんが、日本の場合はゆっくりゆっくり食生活が変化していきましたが、中国の場合はとにかく速い。中国だけでなく、世界中で同じようなことが起きているのではないでしょうか。
土肥: 今後はどのような展開を予定されていますか?
広報: 北京や上海など沿岸部ではかなり普及しましたので、今後は内陸部への展開を予定しています。
土肥: 中国では沿岸部に住む人と、内陸部に住む人の間では、経済格差がありますよね。沿岸部のように普及させるのは難しいのではないでしょうか。
広報: かもしれません。ただ、徐々にですが、内陸部でも外食チェーン店やベーカリーショップが出店されています。こうしたチェーン店を追いかけるようにして、認知度を上げていきたいですね。
土肥: 言葉は少し悪いですが、名づけて“コバンザメ作戦”のようですね(すいません)。
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