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ファストフードの時代は終わった? 変わりゆく米国の食事情:人に話したくなるコラム(4/4 ページ)
米国のファストフードと言えば「マクドナルド」を思い浮かべる人も多いのでは。米国のみならず、世界中の食文化に大きな影響を与えてきたファストフード・ビジネスが、いま大きく変わろうとしている。
食文化に革命が起きるかも
今、チポートレのようなファストカジュアルの台頭に、ファストフード業界のトップに君臨するマクドナルドも注目している。そして密かに、「ファストカジュアル」路線を意識したテストマーケティングを実施している。
現在、カリフォルニア州の一部店舗で行われているのは、iPadを使ってバーガーをカスタマイズする「Build Your Burger」というサービスだ(オーストラリアの店舗でも実施しているらしい)。これは、ブリオッシュのバンズ、グリルしたマッシュルームのトッピング、アリオリソースといった、通常のメニューにはない22種類のアイテムからカスタマイズするというものだ。さらに今後、英国、ドイツ、フランスなど欧州の一部地域の店舗で、すでに提供しているオーガニックな商品を増やしていく可能性もあるようだ。
今、米国で「ファストカジュアル」が支持されるのは、顧客がよりパーソナライズされた高品質の食を求めるようになってきているからだ。ナチュラルで環境に配慮した高品質の食材を使用するのはビジネスとしてはコストがかかるように思えるが、チポートレが証明しているように利益を出すことは可能なのだ。マクドナルドがこのトレンドに追随すれば、ファストフード業界のみならず食文化に革命が起きるかもしれない。
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