丸亀製麺のうどんが、インドネシアでウケた理由:仕事をしたら“インドネシア”で売れた(5/5 ページ)
日本全国で讃岐うどんが広がったのは2002年ごろと言われているが、海外でもファンが増えつつあるという。トリドールが運営する「丸亀製麺」は海外進出に積極的で、数年前にオープンしたインドネシアとタイの売り上げが好調だ。その理由は……。
宗教の問題は大きい
土肥: インドネシアに出店してみて、どういったことが大変でしょうか?
経企: やはり、宗教の問題は大きいですね。
土肥: インドネシアは「イスラム教徒が世界で最も多い国」と言われていますよね。よく知られているのが、食品に関するルール。具体的には、豚肉やアルコールがダメ。丸亀製麺の場合、アルコールは扱っていないのでそれほど問題はないかもしれませんが、豚肉の扱いは大変なのでは。
経企: 鶏肉や牛肉などは食べてもいいのですが、イスラム教の教えに則って解体・処理されたものでなければいけません。例えば、「処理をする人は原則イスラム教徒」「作業中は祈りを捧げる」など事細かく決まっています。また、輸送の際には、豚肉と一緒に運んではいけません。このほかにもたくさんのルールがあるのですが、それらをクリアして初めて「ハラル食品」と呼べるものになって、イスラム教徒は口にできます。現在、弊社では「ハラル認証」を取得するために、さまざまなことに取り組んでいます。
土肥: 認証を取得することができれば、そのノウハウは他のイスラム圏の国にも生かすことができますよね。そうすれば、海外進出がますます加速しそう。
経企: まずはインドネシアで出店を加速させたいですね。現在はジャカルタなど都市部に出店してきましたが、今後は地方にもチカラを入れていきたい。
土肥: どのくらいのペースで出店される予定ですか?
経企: 当面は、月に1店舗以上ですね。
土肥: す、すごいスピードですね。では、次にタイの話を聞かせていただけますか。タイでも「繁盛店」が多いそうですね。
経企: 分かりました。
(つづく)
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