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人工知能の本質は? 「近さ」の判断が不得意今どきの人工知能(4/4 ページ)

人間の脳は、少ないデータから、いかに人より早くパターンを見つけるかという競争をやっています。似たものを見つけた際に「近いかどうか」の判断は知能において非常に重要な処理です。

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人工知能はどう作る?

 人工知能の技術者は、「知能」をどう作り上げていくのでしょうか? 将棋やチェスの指し手、お掃除ロボットの制御、広告配信などの分野から、“ルール”や“推論”をイメージする人は多いと思います。

 「もし●●なら、〜〜と判断せよ」

 かつて人工知能とされた領域では、こうしたルールをプログラミング言語で記述していく作業が、大きな比重を占めていました。

 いまも本質的な部分、「ルールを作る」ことの意義は変わっていませんが、アプローチは異なります。ポイントは、「ビッグデータの存在」です。以前のルールの記述は、変数の空間を縦横に切っていくようなイメージでした。

 しかし本来、この空間は斜めに切ってもいいし、曲線で切ってもかまいません。切り方を賢くしたのが、いまの人工知能のルールの取得方法、すなわち「機械学習」です。

 違いをもう少し説明すると、ルールの後段で「〜〜と判断せよ」などと命令しますが、この部分は診断結果を示すでも、適切な広告を出すでも何でもいい。ポイントは「もし●●なら」の前段部分で、ここをより多くのデータから自分で学習するようになっています。

 以前のように手作業で記述していくのではなく、結果が良かったとき悪かったときを見比べながら、自動的にルールを決めていく。これが機械学習の典型的なパターンです。

 いまの人工知能のエンジニアに課せられる重要な仕事は、機械学習のアルゴリズムを考えたり、アルゴリズムを使ってデータを分析したりして、精度を上げていくことです。自らアルゴリズムを構築するには、確率論や統計学の基礎知識も求められます。

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