「分かる」は意外と分かりにくい:なぜ、あなたの言葉は伝わらないのか?(1/4 ページ)
「分かりました」ととりあえず答えた部下が、実は分かっていないということはよくあります。なぜなら「分かる」という言葉自体が、つかみどころのない“ふわふわ”としたものだからです。
集中連載「なぜ、あなたの言葉は伝わらないのか?」について
本連載は黒川裕一著、書籍『人を動かす言葉の技術』(中経出版)から一部抜粋、編集しています。
上司に提案をしても通らず、後輩に何を言っても気の抜けた返事ばかり。努力のわりに、相手が動かない――、そんなことはありませんか?
相手が動かないのは、やる気がないわけでも、あなたのことが嫌いなわけでもありません。言葉には「相手が動く言葉」と「動かない言葉」があるのです。
今日からは、「これ、分かった?」ではなく「これ、次は1人でできる?」と言いましょう。自分の考えを100%伝えきる「アクション言語」が身につく1冊です。
アクション言語がなぜいいのか
前回明らかになった、コミュニケーションにおける「根本的な課題」をまとめると、次のようになります。
1. 日々のコミュニケーションで、できるだけラクをしたい
2. コミュニケーションストレスを、できるだけ避けたい
→ 1、2を両立したい
これに対する答えとして提案するのが、「アクション言語」で話すことです。アクション言語とは、私の造語で「頭で分かって、体で実行できる表現」のことです。
そのメカニズムは、下の図のように描けば、一目瞭然。要は、分かりにくくて実行しづらい言葉(図の左下のエリア3の言葉)を、頭で分かり、体で実行できる言葉づかい(右上のエリア1)に変えてやればよいのです。
そもそも、コミュニケーションの目的は何でしょうか。それは、リアクションを引き出すこと。例えば、「ごはんでも食べに行かない?」と相手を誘う場合、「一緒に行く」というリアクションを引き出せれば、コミュニケーションが成功したということになります。あるいは、お客さま相手に商品説明をする場合であれば、「購入」というリアクションを引き出せればよいわけです。
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