「分かる」は意外と分かりにくい:なぜ、あなたの言葉は伝わらないのか?(2/4 ページ)
「分かりました」ととりあえず答えた部下が、実は分かっていないということはよくあります。なぜなら「分かる」という言葉自体が、つかみどころのない“ふわふわ”としたものだからです。
「しっかりやれよ」と言われても……
では、人がリアクションをしてくれるのはどういう場合でしょうか?
そもそも相手にとって、あなたの言っていることがまったく分からなければ、リアクションのしようがありません。さらに重要なのは、あなたの言っていることがある程度分かっても、それがあいまいだったら、結局、相手が分かったことにはならないということです。
例えば、「しっかりやれよ!」。「しっかり」という言葉の意味するところは、誰でも何となくは分かっているつもりです。しかし、こう言われたとき、具体的に何をどうすればよいか分からなければ、リアクションには結びつきません。
さらにいえば、あなたの言っていることが分かっても、リアクションできない場合もあるということです。
例えば、テニスのうまい人に「ボクがやっているようにやってごらん」と言われた場合を考えてみましょう。この人の言っていることの意味はもちろん分かりますし、極端にあいまいな物言いをしているようにも聞こえません(先の図のエリア2)。しかし、こう言われたときの本音は「やれるなら、とっくにやってるよ!」ではないでしょうか。
だから、分かりにくくて実行しづらい言葉(図のエリア3)を、頭で分かり、体で実行できる言葉(図のエリア1)へと変えるのです。
後者を「アクション言語」と呼ぶことはすでに紹介していますが、前者にも名前をつけ、「ふわふわ言葉」とします。
実は、私たちが日ごろ使っている言葉の大半は、「ふわふわ言葉」です。数字で表すと、確実に9割をはるかに超えます。
だから、伝わらない。
だから、相手が動かない。
これが問題であり、それには「アクション言語に切り替える」という極めてシンプルな解決法がある、というのが結論です。
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