日米野球を行う意味はあったのか? 侍ジャパンにたちこめる暗雲:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
日米野球が行われたが、どうもパッとしなかった。盛り上がらなかった要因として、メジャーから「超大物」と呼べる選手が来日していなかったことも挙げられるが、問題はもっと根深いところにあるのでは……。
侍ジャパンの今後に暗雲
盛り上がりにかけた今回の日米野球によって、常設化された侍ジャパンの今後にも暗雲が垂れ込めている。NPBは12球団との共同出資で侍ジャパンの事業を推進する「株式会社NPBエンタープライズ」を11月7日に設立したばかり。しかし常設化されたとはいえ、国際大会以外での親善試合を組むとなると相手チームの選出に苦慮しなければならず、加えて招へいに必要なギャラを捻出するための有力スポンサーも今回の日米野球の低視聴率によって今後は尻込みすることも予想される。
試合スケジュールが過密で長い期間を要する日本プロ野球では、そもそも代表招集のタイミングを見つけること自体が難しいだけに球界内では「サッカーの日本代表のようにコンスタントに試合を組むことは不可能」という声が圧倒的だ。
侍ジャパンが最大の目標としているのが「第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」での世界一奪回。だが、その大会開催が予定されているのは2017年であり、まだ3年も先の話だ。その「ゴール」に至るまでのプロセスが重要なのに、侍ジャパンは常設化することばかりにとらわれすぎて名前だけが先行してうまく機能していないように見える。
来年には国際野球連盟(IBAF)主催の国際大会「プレミア12」が台湾で開催される予定で日本側も参加を決めていることから、おそらくこの大会が侍ジャパンの次のビッグマッチとなるはずだ。だが、NPBの内部では「初めて開かれる大会なので我々も手探りのところがある」との慎重姿勢が根強く、侍ジャパンのトップチームを参加させるのか、あるいは若手主体のメンバー編成にするか流動的で未だ意思統一すらできていない。
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