海外に広がる小林製薬の「熱さまシート」――成功の裏に何が起きていた?:仕事をしたら“1億8000万枚”売れた(4/6 ページ)
熱が出たら「水でしぼったタオル」ではなく、各社から販売されている「冷却シート」を利用する人も多いのでは。冷却シート市場トップを走る小林製薬の「熱さまシート」は日本だけでなく、海外でも広がりつつあるのだ。
店の展開状況と広告の連動
秋田: 商品がすべての店に採用されていて、広告を見たお客さんがそれを買う――これが理想の形。こうした状況になれば、よく売れます。しかし、先ほども申し上げましたが、マレーシアでは店での採用に苦労しました。
土肥: で、採用されたので、売り上げが伸びたのですね?
秋田: いえ、そんなに簡単にはいきませんでした。次に、お客さんが商品を見つけられないという問題が出てきました。
土肥: どういうことでしょうか?
秋田: 店で採用されても、目立つところに置いていただけなかったので、お客さんは商品を目にすることが難しかったんですよ。広告を見ているので商品のことは知っているけど、店で見つけることができない。なので、なかなか売り上げが伸びませんでした。
店頭の目立つところに商品が並ばない、という状況が長く続いたので、ものすごく不安でした。ゆっくりとしたスピードで店頭に並んでいったのですが、販売状況が悪ければ棚から商品が外されるかもしれません。他の商品でこうした経験をしていますので、「熱さまシートも外されるかもしれない。なんとかしなければ」という焦りを感じていました。
ただ、地道にドラッグストアや個人薬局などを回っていくうちに、徐々に目立つところに置いてくれるようになりました。そのタイミングで再び広告を打ったところ、売り上げが伸びていきました。
土肥: それが「店の展開状況と広告の連動」ということですね。
秋田: はい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
輸出量7年で42倍! ニッカウヰスキーが海外で売れている&売ることができるワケ
ニッカウヰスキーの商品が売れている。「NHKのドラマ『マッサン』効果があって売れているんでしょう?」と思われるかもしれないが、日本だけでなく、海外でも売れているのだ。その理由は……。
生産台数9000万台超! ホンダのスーパーカブがスゴい
世界中で販売されているスーパーカブ(ホンダ)の累計生産台数が9000万台を超え、あと数年で1億台を突破しそうだ。50年以上前に発売されたスーパーカブは、なぜ今でも売れ続けているのだろうか。ホンダの広報部に聞いた。
値段は競合の2倍――それでもカシオの電卓がインドで売れる、2つの理由
1980年代からインドで電卓を販売していたが、値段が高いため知名度の割に売れていなかったカシオ。しかし2010年発売の新商品が大ヒット、以来インドでの売れ行きはずっと好調だという。高くても売れる、その秘密とは?
なぜ中国で“甘いマヨネーズ”が売れたのか キユーピーの地道な作戦
中国で“甘いマヨネーズ”が売れていることをご存じだろうか。キユーピーが中国で展開を始めたのは1993年。当時の家庭に「マヨネーズ」はなかったが、どのようにして普及していったのだろうか。同社の広報部に聞いた。
