海外に広がる小林製薬の「熱さまシート」――成功の裏に何が起きていた?:仕事をしたら“1億8000万枚”売れた(5/6 ページ)
熱が出たら「水でしぼったタオル」ではなく、各社から販売されている「冷却シート」を利用する人も多いのでは。冷却シート市場トップを走る小林製薬の「熱さまシート」は日本だけでなく、海外でも広がりつつあるのだ。
「暑さ対策」に使う人が増加
土肥: 日本の場合、熱が出たときに「熱さまシート」を使う人が多いと思うのですが、マレーシアでは暑さ対策に使っている人が増えてきているようですね。
秋田: これまでは「子どもが熱を出したときに、使ってくださいね」とアピールしてきましたが、2013年からは「寝苦しいとき」「スポーツをしたあとに」「暑いとき」などにもどうぞと推奨しているんですよ。
土肥: なぜ2013年からなのでしょうか? マレーシアに進出したのは1998年なので、もっと早いタイミングで「今日も暑いですよね。『熱さまシート』はいかがですか」とアピールしてもよかったのではないでしょうか?
秋田: アジアの中でマレーシアの市場規模は大きくありません。社内からは「成長していくためには熱対策だけでは不十分」という声があったので、そこで「暑さ対策」に目をつけました。弊社で調査を行ったところ、「子どもの熱が出たときに『熱さまシート』を使う」人が増えてきていることが分かってきました。なので、これまで使ったことがある人に、新しい使い方を提案しました。
土肥: なるほど。話は変わりますが、都市と地方で売れ方の違いはあるのですか?
秋田: まだまだつかめていない状況ですね。マレーシアでいえば、クアラルンプールなどの都市部のことは把握できているのですが、地方のことはまだよく分かりません。これはマレーシアだけに限らず、他の国でも同じような状況ですね。例えば、タイであればバンコク、インドネシアであればジャカルタといった都市部のことは把握できているのですが、地方のことはよく分かっていません。都市部でやらなければいけないことがたくさんあって、地方にはまだ手をつけることができていない、といった状況ですね。地方には地方の問題があると思うので、それを認識することがいまの課題ですね。
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