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2015年の鉄道業界はどうなる? 楽しい一年になりそうだ(後編):杉山淳一の時事日想(特別編)(3/4 ページ)
2015年の鉄道業界も話題が盛りだくさん。後編は大井川鐵道のきかんしゃトーマスや新たに登場する観光列車や新型車両、地方鉄道の動きを紹介しよう。
このほかの路線の主な動向
三重県四日市市の近鉄内部線・八王子線は春を目標に公設民営化への移行が進められている。赤字路線として近鉄がBRT化を提案し、鉄道の存続を望む四日市市の要望を受けた路線だ。決着として、線路設備を四日市市が保有し、電車は近鉄と四日市市が出資する「四日市あすなろう鉄道」が運行する。
札幌市の路面電車は2015年春に延伸し、環状運転を実施する予定だった。しかし公募入札が不調だったため日程が変更され、10月以降、2015年内に開業を目指している。
被災路線の復旧については、常磐線の小高駅―原ノ町駅間が復旧の見込み。ただし福島原発事故の放射能による避難指示解除準備区域となっており、この指定が解除され次第となっていた。政府は2014年12月28日に解除を決定。鉄道の運行再開で地域の復旧に弾みがつきそうだ。
三重県の名松線は2009年の台風被害で家城駅―伊勢奥津駅間が不通になっている。こちらも2015年度に6年ぶりに運行再開予定。
相模鉄道のJR東日本直通線は2015年度開業予定だった。しかし接続部の工事の遅れによって2018年度へと変更されている。相模鉄道と東急との直通線事業は2019年開業予定。当初の予定通りに進ちょくしているようだ。
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