22年連続で販売数増のサントリー食品、今年はどうする?:対前年101%(2/3 ページ)
消費税の増税や冷夏などの影響を受け、飲料メーカーは厳しくなる。そんな声がある中で、サントリー食品インターナショナルは前年を上回る販売実績を残した。特に売れたのは……。
サントリー食品の一人勝ち
――飲料メーカーの間で「2014年はサントリー食品の一人勝ちだ」といった声があります。そうした立場でありながら、2015年の販売計画が対前年比101%は控えめすぎませんか?
小郷: 「一人勝ち」と言われているそうだが、消費税の増税や冷夏などの影響を受け、目標に掲げていた数字は達成していない。一人勝ちというよりも、“みんながこけた”だけ。そうしたなかで、弊社は“少しましだった”だけ。
先ほども申し上げたが、2015年の市場は対前年比98〜99%を見込んでいる。なぜ低く見積もっているかというと、1997年に消費税が3%から5%に増税されたとき、その翌年、飲料メーカー各社は値上げに踏み切った。結果、その年の売り上げは、前年を大きく割り込んだ。その後、4〜5年、市場は停滞した。
古い話なので参考になるのか分からないが、過去の経験から言って、飲料市場は消費者の所得が大幅に上昇しない限り、非常に厳しい状況が続くと見ている。市場の動向をにらみながら、これからの数年は安定的な成長を図っていく必要があるだろう。
――価格競争についてはどのようなお考えですか?
小郷: 定番商品は130円前後、ミネラルウオーター系は110円前後で展開している。価格帯はカテゴリーによって違っていて、値ごろ感を出していければなあと思っている。値上げについては、今のところ考えていない。
――値上げはなぜ考えていないのでしょうか?
小郷: 値上げをして、市場が拡大しますか? 値上げをして、流通が認めてくれますか? ということ。今は、飲料メーカーが値上げをできる環境ではないと思う。
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