キリンビールの戦略は? クラフトビールに期待:3分で分かるビジネス戦略(1/2 ページ)
Business Media 誠では注目を集めている企業のビジネス戦略を知るために、連載「3分で分かるビジネス戦略」をスタートしました。前回の「LINE」に続いて、今回は「キリンビール」の戦略をご紹介します。
Business Media 誠では、売り上げを伸ばしている成長企業や、話題の商品・サービスを提供する企業など、さまざまな業界で注目を集めている会社を中心に、各社のビジネス戦略を知るための連載をスタートします。初回の「LINE」に続いて、2回目は「キリンビール」。
新しい価値を創造していきたい
――現在の市場環境についてご説明ください。その環境をどのように受け止めていますか。
少子高齢化や嗜好の多様化といった大潮流を背景に、1994年以降ビールの微減傾向が続いていますが、近年は消費税増税などを背景とした消費の二極化の拡大、本物志向や手作り感重視の「こだわり消費」の傾向、健康志向の一層の高まりなど市場環境は変化しています。
そうした中で、例えばビールであればクラフトビールの展開などのほか、発泡酒・新ジャンル、機能性商品、RTD(低アルコール飲料)の各カテゴリーでキリンならではのアプローチで新しい価値を創造していきたいと考えています。
――直近の決算の数字をどのように受け止めていますか。
2月が年間本決算になるので確定的なことは申し上げられませんが、直近四半期の状況で言えば、キリンビールは、増税後の対応や夏場の天候不順によりビール類ではマイナスになりました。しかし「淡麗プラチナダブル」のヒットや、「一番搾り」のプラス着地など良い兆しが多数見えており、これを確実なものにすべく2015年は一層のブランド強化に向け活動していきます。
――海外事業について教えてください。どの国・地域が好調ですか。その要因なども教えてください。
世界約40カ国でフラッグシップブランドである「一番搾り」を展開しています。発展途上の中国、台湾、韓国などの東アジア各国、シンガポール、タイなどの東南アジア各国など既存市場は好調。特に中国、韓国、香港の伸びが著しくブランドの成長に貢献しています。
また「一番搾りフローズン」を、世界12の国と地域で約400店も展開しています。その見た目、食感の斬新さに、日本同様に評価が高く、取り扱い店舗も拡大しています。
関連記事
- 最高醸造責任者に聞く、ギネスビールの“正しい”飲み方
アイルランドで生まれたギネスビールを飲んだことがないという人も多いのでは。そもそもギネスビールは他のビールのように、グラスに注いですぐに飲んでいけない。そこでギネスビールの最高醸造責任者に、“正しい”飲み方を教えてもらった。 - “不毛地帯”の日本で、なぜ黒ビールが売れたのか
「ビールは好きだけど、黒ビールは苦手」という人も多いのでは。しかし2012年は「黒ビール元年」と言っていいほど、売れに売れた。黒ビールの“不毛地帯”とも言える日本で、なぜ消費者に支持されたのか。アサヒビールのマーケティング担当者に話を聞いた。 - 輸出量7年で42倍! ニッカウヰスキーが海外で売れている&売ることができるワケ
ニッカウヰスキーの商品が売れている。「NHKのドラマ『マッサン』効果があって売れているんでしょう?」と思われるかもしれないが、日本だけでなく、海外でも売れているのだ。その理由は……。 - 撮影現場では何が起きていたの? キリン、話題のCM「カンフースター篇」
キリンビールのCM「カンフースター篇」が話題になっている。ネット上では「泣けた」「素晴らしい」といった声が続出しているが、撮影現場ではどのようなことが起きていたのか。撮影に携わった同社の担当者に話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.