あのゴジラをも説き伏せた、DeNA中畑監督の「力」:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
ヤンキースや巨人などで活躍した松井秀喜氏が、DeNAのキャンプを視察した。巨人からも臨時コーチ就任のオファーがあったのにもかかわらず、なぜDeNAのキャンプ地を訪れたのか。それは……。
中畑監督の交渉力は「スゴい」
かなり強引ではあるにせよ、DeNAキャンプ視察を一貫して拒否していた松井氏を説き伏せてしまったのだから中畑監督の交渉力にはとにかく脱帽するばかり。「スゴい」の一言である。
「中畑さんと接していると、どうもあのノリと勢いに飲み込まれてしまうんだよね。それで気がついてみると、向こうのペースになっている。でもどこか憎めない人なんだ。やっぱり裏表がない人だからだろうね。誰にもマネできない、とても摩訶不思議な力の持ち主だと思う」と中畑監督を評したのは、その松井氏である。
ちなみに中畑監督は松井氏がルーキーイヤーだった1993年のシーズンから2年間に渡って巨人の打撃コーチを務めており、両者はいわば師弟関係。それでも松井氏は「中畑監督? 師匠ではないけれど友だちです」とニヤリとしながら言い切っている。もちろんこれは半分冗談のコメントではあるが、逆に言えば中畑監督と松井氏がまるで友だち同士のように堅苦しくない、気さくな関係性だったからこそ今回のキャンプ視察が実現したとも確かに言える。
同じく松井氏が当初難色を示していたキャンプ視察中のフリー打撃実演プランに関しても、タフネゴシエーターである中畑監督は自らのゴリ押しによって、まんまと実現させてしまった。これも松井氏と中畑監督がフランクな間柄であったことが結果としてプラスに働いたと見ていいだろう。
「中畑監督は上から目線でモノを言わない。基本的にどんな相手に対しても友だちのように気さくに接するのがポリシー。選手に指示する時も、ただ単に『ああしろ』『こうしろ』という言い方はせず、時にユーモアを交えたりしながらピリピリとした雰囲気を作らないようにすることを心がけている。
しかし、そうかと言って中畑監督は選手に甘い顔ばかりしているわけではもちろんないですよ。必要とあらば、烈火のごとく怒ってカミナリを落とすこともある。でも、むやみやたらとガミガミする必要なんてないでしょう。どうせならば楽しくやろうじゃないかと監督が考えているから、とにかくウチのチームはムードがいいんです。
そういうフレンドリーな中畑マジックの真骨頂を松井さんも改めて体感されたのではないでしょうか。だからウチのキャンプの視察に来てくれたのでしょうし、巨人のキャンプにいる時よりも笑顔が多かったように見えたのは中畑監督と触れ合うことができた松井さんの素直な喜びだったのだと我々は思います」(DeNA関係者)
関連記事
- 2年半の摩天楼生活で、イチローがヤンキースの面々に見せた“流儀”
ヤンキースのイチローが、来季から新天地でプレーすることになりそうだ。現場で一緒に戦ってきた他の選手たちは、彼についてどのような印象を持っているのだろうか。チームメートに取材したところ、意外な言葉が……。 - 年俸21億円を捨てた黒田博樹とは、どんな人物なのか
ニューヨーク・ヤンキースからFAとなっていた黒田博樹投手が今シーズン、古巣の広島カープへ復帰することになった。メジャーリーグからの巨額オファーを蹴った「クロダ」という男は、海の向こうで一体どんな人物として周囲の目に映っていたのか。 - 市民球団「広島東洋カープ」、徹底した黒字追求型経営の姿勢とその裏側
今年は23年ぶりのリーグ制覇か! 「広島東洋カープ」ファンの“赤ヘル旋風”が巻き起こっている。市民球団のイメージが強い同球団だが、実は「39年連続で黒字」を達成している、徹底して黒字を追求する経営方針の企業である。だが、その裏に「知られざるカープ」の一面もある。 - 過去3年で42%増! 横浜DeNAベイスターズのファンが増えている理由
プロ野球のペナントレースが終了した。3年前に誕生した「横浜DeNAベイスターズ」の成績は6位、5位、5位と低迷しているが、観客動員数は増え続けているという。その理由について、同社の池田純社長に聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.