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インタビュー

中古レコードの「バイヤー」って何をしているの? 買い付け・値付けの奥深さ仕事をしたら“レコード”が売れた(5/7 ページ)

中古レコードを扱う「HMV record shop 渋谷」が、2014年にオープンした。レコードを店頭に並べるために、バイヤーたちは買い付けに回ったというが、どういった苦労があったのか。店の責任者で、バイヤーとしても活躍する小松正人さんに聞いた。

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在庫の中に“掘り出しモノ”が眠っている

土肥: 海外へ買い付けに行かれたときには、どのくらいの枚数を購入されるのですか?

小松: 2人で10〜14日間ほど行くのですが、平均して5000枚ほど買っていますね。

土肥: 5000枚! 10日間として、1日500枚ですね。8時間働いたとして、えーと……。

小松: そのくらい買い付けないと、商売になりません。

土肥: 中古のクルマであれば、種類が多くないですよね。自動車メーカーは数えるほどしかありませんし、車種もそれほど多くはありません。もちろん中古のクルマを扱っている会社は“楽”という意味ではなく、クルマに比べて中古レコードは数が多い。

 先ほども申し上げましたが、歌手はたくさんいますし、アルバムのタイトルもたくさんあります。しかも、売れているモノからあまり売れていないモノまで。見たことも聞いたこともないようなタイトルを見て、これは日本で○○円で売れそうだと予想して、販売価格が高いか安いかで買い付けをするかしないかを決めなければいけません。そうした作業をずーっとしなければいけいなんですよね。

小松: リストを見て、「じゃあ、これとこれとこれを買う」という世界ではないんですよ。現地に足を運んで、実際にレコードを手にしなければいけません。なぜ足を運ぶかというと、レコードの質を確認するだけでなく、在庫の中に“掘り出しモノ”が眠っている可能性が高いので、それを見つけ出さなければいけません。あと「ビートルズのこのアルバムが欲しい」と思っていても、店にない場合があるんですよね。そうした場合、代わりに売れそうなモノを探して、購入しなければいけません。

土肥: 数を確保して、一定レベルの質を保つだけでなく、臨機応変に対応しなければいけないのですね。


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