松井氏、ヤンキースのフロント入り――なぜ契約期間は「1年」だったのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
ヤンキースがチームOBの松井秀喜氏のGM特別アドバイザー就任を発表した。松井氏の主な仕事はマイナーチームを巡回し、選手らの打撃相談に乗ることだが、なぜ契約期間は「1年」だったのか。その裏にはさまざまな思惑が……。
契約期間が「1年」の理由
ここまで入念ならばヤンキースとしては松井氏と複数年契約を交わしたかったはず。日本ではなくニューヨークを生活の拠点としている松井氏にとっても、普通に考えてみてヤンキースからのオファーは文句なしに最高の条件であるのは明白である。それにも関わらず、契約期間が「1年」となったのはどうやら松井氏の配慮が大きく働いたようだ。その相手とは言うまでもなく、日本の古巣・巨人である。
巨人はOBの松井氏に原辰徳監督の後任指揮官として非公式ながらも現場復帰のラブコールを送り続けている。松井氏だってプロ入りから10年間在籍した球団だけに強い愛着を持ってはいるが、その一方で心の中に若干の“シコリ”を残しているのも事実だ。その理由には諸説あって「2002年シーズン終了後のオフ、メジャー移籍を表明してFA宣言した際に松井氏が球団幹部から『一体誰のおかげでここまでの存在になれたと思っているんだ』と言われなき罵声を浴びせられた」という噂も根強くささやかれているが、真相は当人にしか分からない。
「そういう中でも松井君が巨人からの要請で2年前に臨時コーチを引き受けたり、今年も自主的に宮崎キャンプを視察したりしているのは恩師の長嶋さん(茂雄氏=終身名誉監督)の存在があるから。長嶋さんが松井君の巨人監督就任を望んでいる以上、それをムゲにすることはできない。ヤンキースと複数年契約を結べば“巨人復帰の意思なし”を強調することになるし、それで松井君も恩師が席を残す巨人のことを気遣って単年契約としたのでしょう。そう考えれば松井君の心は長嶋さんへの忠誠心は永遠に絶大であっても、巨人そのものにはそれほどない。巨人と比較すると圧倒的にヤンキースのほうが大きいと言えます」(事情通)
関連記事
- 年俸21億円を捨てた黒田博樹とは、どんな人物なのか
ニューヨーク・ヤンキースからFAとなっていた黒田博樹投手が今シーズン、古巣の広島カープへ復帰することになった。メジャーリーグからの巨額オファーを蹴った「クロダ」という男は、海の向こうで一体どんな人物として周囲の目に映っていたのか。 - “ハンカチ王子”斎藤佑樹の人気はなぜ凋落したのか
かつて“ハンカチ王子”として脚光を浴びた日本ハム・斎藤佑樹投手の人気が凋落している。成績がパッとしないから仕方がない部分もあるが、なぜKYな言動を繰り返すのか。その裏にあるのは……。 - 過去3年で42%増! 横浜DeNAベイスターズのファンが増えている理由
プロ野球のペナントレースが終了した。3年前に誕生した「横浜DeNAベイスターズ」の成績は6位、5位、5位と低迷しているが、観客動員数は増え続けているという。その理由について、同社の池田純社長に聞いた。 - 41歳のイチローは「外野4番手」? まだ決まっていない
マーリンズ・イチローが正式に誕生した。チームの外野にはメジャーリーグを代表する選手がそろっているので、イチローは「4人目の外野手」と言われているが、本当にそうなのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.