プレミアム缶コーヒー、リニューアルして味はどう変わった? 味覚センサーで分析:2商品の味(1/2 ページ)
コンビニコーヒーへ対抗するため、メーカー各社が力を入れている「プレミアム缶コーヒー」。最近リニューアルしたというサントリーとダイドーの商品の味は、どう変わったのか。味覚センサーで味を分析してみたところ……。
スーパーやコンビニなどに足を運んだとき、たまたまリニューアル商品を見つけて、ついつい衝動買いした人も多いだろう。ただ、パッケージが変更されていれば、パッと見て「おっ、変わったな」と分かるが、パッケージよりも大事な“味”は変わっているのだろうか? “リニューアル”という言葉をよく聞くが、本当のところ「えっ、どこが変わったの?」と思えるような商品も少なくない。
例えば「プレミアム缶コーヒー」。いわゆる“コンビニコーヒー”に対抗するために、各社は高級感や本格的な味わいを前面に打ち出しているが、この市場でもリニューアル商品が発売されている。この春、サントリー食品インターナショナルの「プレミアムボス」、ダイドードリンコの「世界一のバリスタ監修」(以下、世界一のバリスタ)はいずれもリニューアルしたが、味はどのように変化したのだろうか。
両社の担当者に話を聞く
サントリーのプレミアムボスは2014年9月に発売。その後、約4カ月で販売数量480万ケースを超え、ヒット商品の仲間入りした。2015年1月に、ボス史上“最高峰のコク”をさらに強化したというが、なぜコクにこだわったのだろうか。同社ブランド戦略部の大塚匠氏に聞いたところ「ヘビーユーザーの多くは、缶コーヒーのコクに対して『理想とのギャップが大きい』と感じています。このギャップを埋めることが長年の課題だったわけですが、挽き豆の粒子を極限まで細かくする微粉砕コーヒー豆を採用して、コクを増すことに成功しました。今回のリニューアルでは、コクをさらに強化するために、高級豆の比率を高めて、弊社独自のエスプレッソを増量しました」という。
一方、ダイドーの世界一のバリスタは2014年3月に発売。その後、目標を上回るペースで売れているという。よりブランドの世界観を高めるために、3月23日にリニューアル。ワールドバリスタ チャンピオン(2013年)に輝いたピート・リカータ氏を監修に迎え、世界中から厳選した豆を配合して、最後のひと口までおいしく感じられるようにこだわったという。同社ブランド戦略グループの細谷雄太氏は「雑味をカットした研磨豆を増量することで、コクとキレのバランスを追求しました」とのこと。
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